「赤ずきんちゃん!」 精華高校Bチーム (長尾高校)

見ていて雰囲気に飲まれて、終始不思議な感覚に陥っていました。赤ずきんと母親、猟師(父親)と祖母の関係がシンクロしていて、どちらも親からの解放、自由を求めて原作の赤ずきんとは異なった終わり方していたのが良かったなと思いました。赤ずきんは今まで寄り道などしなかったというセリフがあったのですがそれは親の過保護で束縛し、自由を与えられてなかったのかなと考えました。初めの母親の印象は子供思いの良いお母さんって感じでしたが話が進むにつれ、母親のどこかおかしい、普通の人とは違うんだっていうのを気付かされました。また、猟師と祖母の関係もどこか赤ずきんと母親の関係と似ていて、猟師も祖母から解放されたいという願望があったから赤ずきんの寄り道したい思いを自分と重ねて彼女を逃す選択をしたのが、父親としてちゃんと見ていたんだなと思いました。多分、自由になりたいっていう願いを持ってるのは赤ずきんや猟師だけが持ってる感情じゃないと思うんですよ。今現在の社会でも親の束縛から解放されて自由になりたいとか、仕事から解放されたいとか何かしらの自由願望があると思います。私はこの作品を観劇して思ったのが、自由になることは難しく、他人の思いを捻じ曲げたとしてもぶつかっていって願望を叶えるのも悪くないんじゃない。というメッセージ性を感じました。全体的にまとまっていてすごく楽しめた作品でした。
精華高校演劇部の皆さん。とても楽しい劇をありがとうございました。

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