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7月, 2021の投稿を表示しています

「花曇り」 大阪産業大学附属高校 (大谷高校)

幕開けから役者の動きがとてもアクロバティックで、お客さんを楽しませる工夫がふんだんに盛り込まれており、あっという間の1時間でした。 アレクサが急に擬人化されて舞台に登場したり、途中でお客さんを巻き込んで一発芸の披露合戦が始まったり、小道具を自然に出はけの中で移動させたりとなかなか思いつかない工夫をされていて、驚きとともに新たな発見ができました。 また、ゲネも観劇させていただきましたが、本番とゲネで少しずつ一発芸などが変わっていてとても面白く、どちらも新鮮に楽しむことができました。 音響ではメッセージを送信する際の音が役者の方とぴったり息が合っていて、他の所も音響が欲しいところできちんと流れてくるので、見ていてとても気持ちが良かったです。最後の送信の音の「ヌー」のくだりが面白かったです。 照明はダンスの際はとてもカラフルで楽しさを演出しており、劇中の他の部分でもシンプルですが芝居をしっかりとサポートしていて、とても綺麗な舞台を作りあげていると感動しました。 ダンスの際の役者の方がとても楽しそうで、私たちも客席から飛び入り参加したい気分になりました。 独特の世界観とユーモアで見る人の心を掴んで離さない素敵な作品でした。 とても面白く、最高の作品をありがとうございました。 大谷高校2年東こはく 大谷高校1年清水沙羅羽

「半神」 金蘭会高校 (長尾高校)

今回の作品はとても考えさせられました。 結合双生児と言う2人で1つと言う人間… その中で醜いが頭の良いシュラととても可愛いが頭が悪いマリアの物語 1/2+1/2=2/4という算数の問題これはただの計算間違いだと、低血圧のおじいちゃんがボケてるだけだと。ただそれだけを表すものだと思っていたのだが、後々分かる。それは2人を表しているということ。 これを気づいた時は、雷に打たれる程の衝撃を受けました。 それを気付かせない。演技力。物語の運び方。 ほんとに言葉にならない程の驚きでした。 これは、結局選ばれるのはどちらか一方という事。彼女たちは9歳と11カ月。 このままでは体の負担が大きくなり、10歳を迎えることができない。救う方法はただひとつ、 分離手術を行うこと。それも、マリアかシュラ、 生き残るのはどちらかひとり、心臓はたったひとつしかないから。そんな中、シュラは可愛い妹を疎みシュラは孤独を知らないからと孤独を欲しいと思うようになる。 ここで僕が驚いたのは2人の演技力だ。 まず、マリアは終始子供のような表情作り。そして、動き。これは本当に凄くて! セリフの無い間など、子供のように何かに好奇心を持ち触りに行こうとし、動く。そんな動きが高校生にできるものかと僕は思いました。 でも、彼女はやってのけました。 動き方は本当に洗練されており、指先から足まで全部で表現していました。。 そして、シュラはだんだんと頭が良くなって行く様な工程が見て分かるほど、僕達を魅せてくれていました。 そして、頭が良くなってしまったから出てくる「なんで私は孤独になれないんだろう」 と言う疑問。それを全力で私たちにぶつけてくれる彼女の演技に僕はもうこの世界に引きずり込まれてしまっていました。 2人で座っているシーンでは、姉が妹の面倒を見ていて、見ていてほっこりしたし。 あ、仲良いんだなってわかりました。 そこで出てくる先生は実は低血圧のおじいちゃんと同一人物で、それは最初全然気づかなかったが、よくよく考えてみれば。2人の発声の仕方など似ていてそこまでこだわっているのかなって思った。 2人の演技は、ほんとにレベル高かったです。 低血圧のおじいちゃんの方は、表情と動き方。おじいちゃんと言う動きを残したままの動き。 ほんとに、魅了されました。 先生の方は、双子を思う気持ちを全面に演技に 出ていて声を上げる場面

「半神」 金蘭会高校 (淀川工科高校)

今回金蘭会高校の「半神」を観劇させて頂き、とても楽しませていただきました。暗転での台詞回しから始まりその最初のシーンからとても惹き込まれ、体が繋がってしまっている双子の姉妹や数々の怪物達、どのキャラクターも個性が立っていてとても素敵で螺旋方程式の1/2+1/2=2/4という式がどう使われるのか、双子の姉妹がどうなっていくのか、6つ目の「はて」とは何なのか、少しも気が抜けない長いようで短い110分でした。 特に役者達の演技力に凄く驚きました。アリスの子供どころか幼児であるかのように見せられたり、シュラの疲れきった、いや、妹に嫌気がさしたような、それでいて妹を世話する仕草など、動き一つ一つに魅せられ。 他にも怪物たちのそれぞれの性格がはっきりと分かれていたり、しかし叔母達になると同じ役者とは思えない程しっかりと切り替える。 家庭教師と低血圧のおじいちゃんが同一人物という事には最後まで気付けませんでしたが、振り返ってみれば、二人の演技の所々に伏線があったのでは?と思ったり... そしてその影にとてもレベルの高い音響や照明 音響は当然のように役の邪魔にならないように自然と流れてきて、照明も役者の気持ちをとても際立たせていて裏方をしている身として、開いた口が塞がりませんでした。 個人的に神話の話や次元の話が好きなので、そういう面でもとても楽しませて頂きました! とても面白く、楽しく、考えさせられる魅力いっぱいの劇をありがとうございました!    3年 野間渉太 初めはストーリーが見えず意味が分からいことが多かったです。しかし、だんだんとその伏線を回収していき、1個ずつ謎が解けていく。すごく綺麗な展開や繋ぎでした。流石は金蘭会高校さんだなと思いました。 薄明かりでのスタートで声だけの演技。すごく印象的でした。声だけなのに迫力がすごく一気に「半神」の世界観に惹き込まれました。 話は結合双生児を中心に展開されていきました。醜いがとても頭は良いシュラと可愛らしい容姿だが赤ちゃんで知能は止まっているマリア。対極に位置するような双子。シュラはマリアでマリアはシュラ、2人で1人の言わばニコイチである。2人で1人なのに孤独ではなくて、シュラの「孤独がほしいひとりになりたい」という気持ちにはすごく考えさせられるものがありました。そんなシュラはマリアの事が嫌いなのかと思っていましたが、お風呂場の

「域地 -ikichi-」 枚方なぎさ高校 (桜塚高校)

枚方なぎさ高校を観劇して 7月27日(火)枚方なぎさ高校HPF公演「域地 -ikichi-」を観劇しました。桜塚高校です。  会場に入るとまず、舞台上に散りばめられた装置に目がいきました。中央に吊り下げられた金色のテープや、中央がくり抜かれ、薄い布が掛けられた階段、袖から伸びるロープが印象的でした。  役者の方々の演技が自然で、山の中で道に迷ったという非日常的な場面もとてもリアルに感じました。また、一人一人が自分の中に秘めたことに対して向き合うシーンでは「女3」を演じていた方の演じ分けがすごいと思いました。自殺をお母さんに止められる場面、子供に水をあげられずに探し回る場面、神様を疑ったことがないと嘘をつき、必死に祈りを捧げる場面、自分はただスリルを求めていただけで、死ぬのは嫌だという場面、自然と向き合い、人間は何かを奪わないと生きていけないという場面。どのシーンも追い詰められた状況を繊細に表現していて、その迫力に圧倒されました。  袖から舞台を這うように出てくるスモークと舞台上に置かれた照明が組み合わさって、とても綺麗で幻想的な雰囲気を演出していました。 階段に開けられた穴に仕込まれた照明で紗幕布の奥が見えるようになったり、照明で水の存在を表現したり、テープで木を表現するアイデアは学ぶべきところがありました。 そのほかには音響に力を入れられていると思いました。場面ごとに丁寧にBGMが入れられていたり、雨や滝、雷など様々な音を組み合わせた演出が見ていて飽きることがありませんでした。  バルコニーを使ったり、舞台も広く使っていて今後の参考にしたいと思えることが多い舞台でした。  枚方なぎさ高校演劇部のみなさん、本当にお疲れ様でした。 桜塚高校 観劇レポート担当 野田 駿太(3年)・鎌田 大雅(1年)

「毒薬と老嬢」 大谷高校 (東海大学付属仰星高校)

大谷高校「毒薬と老嬢」7月26日18:00公演を観劇して まず最初に一人の女性と男性が楽しそうに会話しているところから目を惹かれました。自然なパントマイムが見事でどんどん引き込まれ、まさかあの後…とは思いもしませんでした。その前のラジオやテレビ番組のような客入れで、始まりからわくわくさせられました。 舞台が日本ではない上、各役柄に個性が必要とされる台本だと思います。ですが、舞台全体を使った動きや時々はさみ込まれるミュージカル風な動きなども含め、役者の演技が洗練されていて違和感が全くなかったです。ふふっと笑うシーンが多く、姉妹の口癖の「ふぅ〜ん〜♪」や動きなど非常にコミカルに表現されており、この劇においていい味を出していたのだと思います。 役者さんは、背中を向けてセリフを言う場面があるのに、声がよく届いていたり、地下室へいく時に姿が見えなくなるまで演じているところが、素晴らしいと思いました。また、ドレスや白髪などの衣装が細部までこだわることができていて、視覚的にも楽しかったです。 照明、音響は役者と場面にとても合っていて良かったです。特に長椅子を照らすシーンが印象的でした。女性のターンする動きに合わせて舞うスカートもとても愛らしく、各々の衣装が凝られていました。 劇が終了しても。、カーテンコールから役者さんたちの退場まで、それぞれのキャラクター性が出ていて、最後まで楽しませていただきました。 全体を通して役者・音響・照明・装置・衣装など細かいところまで凝って作られており、沢山の練習を積み重ねているんだろうなと感じました。観にこられた方を楽しませるという精神を感じ、私たちも見習おうと思いました。 大谷高校のみなさん、素敵な作品をありがとうございました。 東海大学付属大阪仰星高校 廣田葉月 野村皐羽

「毒薬と老女」 大谷高校 (大阪産業大学附属高校)

大谷高等学校「毒薬と老女」7月25日(日)18:30の回 観劇ブログ  大谷高校さんの「毒薬と老女」を観させていただきました。この舞台に出演された役者の皆さんは、自分の動作や台詞だけではなく共演者の演技にも気を使い丁寧に表現されていて素晴らしいと思いました。  僕は今回ゲネプロ(通しリハーサル)と本番の両方を観させていただくことができました。その中で最も驚いたのは、ゲネプロと本番の間の少ない時間で、動作や台詞の言い方をさらにより良く変更されていたことです。あんなに素敵な世界を表現できているにも関わらず、まだ改善されているのだということに気付き、驚くと同時に深く感動しました。  また、美しく変化し続ける照明や、大谷演劇部さんの世界に引き込まれる音響の数々、そして自分が生きている日常ではない非日常を意識させられるスモークなどの演出もとても素晴らしいものでした。  表情や動作、声色の切り替えやチームワークなど、参考になることばかりでとても勉強になる舞台でした。本当に楽しく観させていただきました。ありがとうございました。   大阪産業大学附属高校 3年 松浦虎太郎

「この1億円どうしよう」 淀川工科 (金蘭会高校)

淀川工科高校さんの「この1億円どうしよう」を観劇させていただきました。 どのように話が展開していくのかと思いつつ、お芝居が始まるとすぐに世界観に引き込まれました。冒頭から役者さんたちのコミカルな演技、絶妙なテンポでが繰り広げられるセリフの掛け合いで思わず笑いが出てきてしまうようなシーンも多く、わくわくしながら観ることができました。 ベンチに置かれている1億円、これを発見し自分たちの物にしようとする田中と佐藤、子どもが誘拐されていてこれは身代金だと言う専業主婦、娘の整形手術の費用だと言う山田。なにが本当でなにが嘘なのか。なにを信じてなにを疑えばいいのか。嘘が暴かれていく流れは観ている側もハラハラしました。 また序盤のコミカルな演技とは打って変わって、結末にかけてのシリアスな演技も魅力的でした。 1億円の札束や銃などはパントで表現されていたのですが、役者さん1人1人がパントでも重みを感じながら演技していたり、恐怖、怒り、悲しみなどを繊細な体や顔の動きで表現していたと思います。そのようにリアリティ溢れるこのお芝居の中に、特に専業主婦の大切なものを失うことで殺人鬼となってしまう姿はなんとも言えない、複雑な気持ちを感じました。 そしてこのお芝居のラスト、田中のその直前までに起こった全てが走馬灯のように流れるシーンの演出がとても印象に残りました。 経験がないことを演技する、とゆうことは難しいことだったと思うのですが、淀川工科高校さんは、今起きた出来事をありのまま、写実的に「経験」し、人間の欲や恨み、寂しさや生きたいと思う心などをいい意味で生々しく演じられていたと思います。 とても素敵な舞台で楽しく観劇させていただきました。 淀川工科高校の皆さん、お疲れ様でした。 金蘭会高校 3年 岩野七葉、2年 栗原輝

「笑ってよゲロ子ちゃん」 精華高校 (枚方なぎさ高校)

精華高校さんHPF公演、「笑ってよゲロ子ちゃん」を見させていただきました。 客入れのラジオ番組が、まさか劇の内容と繋がっているなんて、初めは思いもしませんでした。 ひとりひとり迫力のある演技で、時間を忘れて最後まで見入ってしまいました。 ゲロ子ちゃんはどうなるのか。周りの人たちの心が変わってき、主人公の心の変化も現れる。よく読み込まれた役づくりでとてもびっくりでした。見ていて、そこで終わるのか…!とラストの展開にも衝撃を受けました。 そして、音照さんにも凄いなぁと思いました。 かぶりものをかぶったときの声。スピーカーから声が聞こえてきて、録音したものを使っているのかな?と思いきや、よく見るとしっかり喋っていました。マイクを付けているのでしょう、気づいたときは驚きでした。 また照明の激しい変化。白い光がチカチカ光っていて、これまた綺麗な照明にも驚きを隠せませんでした。今思えば、全体的に緑の照明が多かったのも、カエルを表すための照明なのかと、ひとつ発見です。 他にも、役者さんの性格や雰囲気がわかりやすい衣装や、ここは放送局なんだと直ぐに気づく事が出来た装置等。こだわりがたくさんあって、見ていて感激を受けてばかりでした。 最高の劇をありがとうございました。 枚方なぎさ高校 東谷・山田・山本

「ガッコの階段物語」 長尾高校 ()

長尾高等学校さんの「ガッコの階段物語」を観劇させて頂きました。 階段の前で立ち止まっている人を元気付ける「階段部」。序盤は登場人物の背景があまり明かされないにも関わらず、ひとりひとりに愛着を持てるような個性的な演技が素晴らしかったです。舞台上を激しく動き回って叫ぶ姿に熱量をぶつけられるような感覚で、まさかほとんどの方が初舞台だなんて思いもしませんでした。 怪談話や階段話で盛り上がる激しくコミカルな場面が「息を潜めろ!」の一言で、パタパタパタ、と囁きがだんだん激しくなる不穏な場面へ一転し、また何事もなかったかのようにコミカルな階段部のシーンに戻る。空気感が一瞬で切り替わり、ここからどうなるんだろうと物語の中に引き込まれました。 「何の為に階段を登るのか」繰り返しそれを問われる中で登場する日常の場面は、コミカルでテンポ良く、尚且つ人生を思って少しほろっときてしまうような良いシーンでした。ありきたりな日常の場面を一気にドラマチックに感じさせる選曲も素晴らしかったと思います。 一歩を踏み出す為の階段、天国への階段、人生の階段、 津波 から逃れる命の階段。死者を思って階段の前から進めなくなってしまった生者を励ます死者、という構造が浮かび上がると、面白おかしく精一杯ガッコを励まそうとする階段部たちがなんとも愛おしく思えてきます。そして、生き残って日常を生きていけることの苦しみも強烈に伝わってきました。 階段を登ったから生きている、生きるためには登らなければいけない、生きているから登ることができる…。階段のすぐ下まで迫った水面の下からガッコを励ます真っ直ぐな声が胸を打ちました。このお芝居の魅力はそういった真っ直ぐさだと思います。 役者の方々によるまさに全力投球の演技、そして舞台上の雰囲気をガラッと変化させる音響・照明。細かいところまで凝って作られており、沢山の練習量があってこそなのだろうと感じる舞台でした。 素敵な舞台をありがとうございました。長尾高等学校の皆さん、お疲れ様でした。

「大きな桜 小さな演者」 桜塚高校 (豊島高校)

21日(水)桜塚高校HPF公演「大きな桜 小さな演者」を観劇しました、豊島高校です。 今回はネズミや猫が主人公の劇というのがあまり見ない作風でとても惹かれました。キャストの皆さんがネズミの耳や猫耳をつけているのがすごく可愛くて良かったです。ネズミの仲間内でのすれ違いや、ネズミのユキと猫のノラという種の違う2人が起こす感情や出来事は、人間たちの間に起こる物事を表しているのかなとも思い、考えさせられる劇でした。 どのキャストもキャラクターの個性があって良かったと思います。 その他では全体的に、舞台美術にすごく力を入れられている印象が強かったです。細かいところまで手を入れられていて、見ていて飽きず、舞台上がきれいで映えるなと思いました。 入って舞台を最初に見た時、舞台装置が大きく、直線的で不規則な模様ながら違和感のない装置に圧倒されました。 また、劇中で出てくるホタルのシーンでのプロジェクターを使った照明が綺麗でした。LEDで舞台上部の木を模した装置に色を当てたり、舞台装置の模様に合わせて光る照明の使い方がすごく効果的でした。 初めからスモークを焚かれていたと思うのですが、ネズミの住処の雰囲気があるのと、ムービングやサスペンションライトなどの光の筋が綺麗に出ているのが良かったです。スモークを焚きながらムービングを客席に向けると舞台上が見えなくなるのが、暗転やブルー暗転とは違った雰囲気がありました。 すごく参考になる部分が多く、観て良かったと思える劇でした。本当にお疲れ様でした! 担当・豊島高校