「半神」 金蘭会高校 (長尾高校)
今回の作品はとても考えさせられました。
結合双生児と言う2人で1つと言う人間…
その中で醜いが頭の良いシュラととても可愛いが頭が悪いマリアの物語
1/2+1/2=2/4という算数の問題これはただの計算間違いだと、低血圧のおじいちゃんがボケてるだけだと。ただそれだけを表すものだと思っていたのだが、後々分かる。それは2人を表しているということ。
これを気づいた時は、雷に打たれる程の衝撃を受けました。
それを気付かせない。演技力。物語の運び方。
ほんとに言葉にならない程の驚きでした。
これは、結局選ばれるのはどちらか一方という事。彼女たちは9歳と11カ月。 このままでは体の負担が大きくなり、10歳を迎えることができない。救う方法はただひとつ、 分離手術を行うこと。それも、マリアかシュラ、 生き残るのはどちらかひとり、心臓はたったひとつしかないから。そんな中、シュラは可愛い妹を疎みシュラは孤独を知らないからと孤独を欲しいと思うようになる。
ここで僕が驚いたのは2人の演技力だ。
まず、マリアは終始子供のような表情作り。そして、動き。これは本当に凄くて!
セリフの無い間など、子供のように何かに好奇心を持ち触りに行こうとし、動く。そんな動きが高校生にできるものかと僕は思いました。
でも、彼女はやってのけました。
動き方は本当に洗練されており、指先から足まで全部で表現していました。。
そして、シュラはだんだんと頭が良くなって行く様な工程が見て分かるほど、僕達を魅せてくれていました。
そして、頭が良くなってしまったから出てくる「なんで私は孤独になれないんだろう」
と言う疑問。それを全力で私たちにぶつけてくれる彼女の演技に僕はもうこの世界に引きずり込まれてしまっていました。
2人で座っているシーンでは、姉が妹の面倒を見ていて、見ていてほっこりしたし。
あ、仲良いんだなってわかりました。
そこで出てくる先生は実は低血圧のおじいちゃんと同一人物で、それは最初全然気づかなかったが、よくよく考えてみれば。2人の発声の仕方など似ていてそこまでこだわっているのかなって思った。
2人の演技は、ほんとにレベル高かったです。
低血圧のおじいちゃんの方は、表情と動き方。おじいちゃんと言う動きを残したままの動き。
ほんとに、魅了されました。
先生の方は、双子を思う気持ちを全面に演技に
出ていて声を上げる場面が多かったのですが、どれもどれも感情がとても籠っていて、これだけ言葉に感情を乗せられるってほんとうに凄いなって思った。。!
そんな中マリアとシュラは人間の世界と化け物の世界を行ったり来たり、先生も時間軸や次元までずらされる。
そんな複雑な構造を、彼女達は自身の演技力そして、団結力でやってのけるなんて。僕も演劇をやってる身としては非常に感銘を受けた。
団結力という点では、ピカイチとも言えるだろう。ダンスの時の足の鳴らし方。表情。動き。全てが揃い。完璧に合わさっている。
まさに、阿吽の呼吸とも言えるだろう。
それだけじゃない。同じセリフを同時に言う時のズレ。これは普通生じるものだが、全く無かった。これより、彼女達は我々を楽しませる為。この日の為。来る日も来る日も練習したのだろう。あそこまで綺麗に合わせるには、演者同士の信頼が必要。これは並大抵の事じゃ生まれないもの。それがあるのは、ほんとに素晴らしく思いました。
そして、終盤では分離手術が始まり。
シュラは、「なんの悩みも無く笑うだけの妹自分の死すら気づくまい」と。
残酷な考え方なのに、僕は演技に魅了され賛同してしまった。
手術後、 切り離されたシュラの姿は手術前のかつてのマリアの体になっている。
最初は、喜びを覚えそこからだんだん来る。自分とは何なのか、誰なのか。。
そんな揺れ動く心情を照明。音響。演技で表現されており凄かったです。。
最後になぜ、「半身」じゃないのかと僕は疑問を持ちました。
それは、確かにマリアは自分の1部だが、その反面何を言っても分からない他者であると言うこと。
他者の極致は「神」らしい。
神がどのような思考をしているかは、我々には分からない。
それを、マリアと見立ててみるとマリアも何を考えているか分からない。
つまり「神」と同じ。
だから「半神」なのかなって。思いました。
そんな、深く深くまで作り込まれた作品だろうと僕は思いました。
そんな、結構重たい内容なのだが!なんか不思議と楽しくなる部分も多く!扉を開く音が全部セルフ効果音だったり、杖持って腰悪そうなおばあちゃんが普通にめっちゃ走ってたり笑
特に!「はて?」と「果て」が押韻となっていて!リズミカルなそして、シリアスな雰囲気を醸し出していて聞いていて気持ちよかったです!
そして、それら全てを支えているのは、
照明と音響です。
どちらも、タイミングがぴったしで自然だし。
ついつい、口が開いてしまうほど驚きました。
特定の人物に光が当たり、その瞬間に音楽は止まり、周りの人も止まる。。
そんな3つの水が、三位一体となり海となり、私たちを溺れさせました。
化け物達にあった、照明の光をそれぞれ出したり。部屋を上下のSSを交互に光らせる事で表したりそうして、ここが部屋だぞって言うのを分からせる。視覚的な影響をほんとに研究されているんだろうなって思いました。
照明さんの技術にはびっくりしました。
音響に関しては、自然な入りと終わりで!
何箇所か「あれ、いつ始まった?!」
ってなるほどでした。
これは、音響さんの完全勝利です。
気付かせない程の技術と、音の強弱…
本当に見事でした。
素敵な劇をありがとうございました!
長尾高校3年 M
結合双生児と言う2人で1つと言う人間…
その中で醜いが頭の良いシュラととても可愛いが頭が悪いマリアの物語
1/2+1/2=2/4という算数の問題これはただの計算間違いだと、低血圧のおじいちゃんがボケてるだけだと。ただそれだけを表すものだと思っていたのだが、後々分かる。それは2人を表しているということ。
これを気づいた時は、雷に打たれる程の衝撃を受けました。
それを気付かせない。演技力。物語の運び方。
ほんとに言葉にならない程の驚きでした。
これは、結局選ばれるのはどちらか一方という事。彼女たちは9歳と11カ月。 このままでは体の負担が大きくなり、10歳を迎えることができない。救う方法はただひとつ、 分離手術を行うこと。それも、マリアかシュラ、 生き残るのはどちらかひとり、心臓はたったひとつしかないから。そんな中、シュラは可愛い妹を疎みシュラは孤独を知らないからと孤独を欲しいと思うようになる。
ここで僕が驚いたのは2人の演技力だ。
まず、マリアは終始子供のような表情作り。そして、動き。これは本当に凄くて!
セリフの無い間など、子供のように何かに好奇心を持ち触りに行こうとし、動く。そんな動きが高校生にできるものかと僕は思いました。
でも、彼女はやってのけました。
動き方は本当に洗練されており、指先から足まで全部で表現していました。。
そして、シュラはだんだんと頭が良くなって行く様な工程が見て分かるほど、僕達を魅せてくれていました。
そして、頭が良くなってしまったから出てくる「なんで私は孤独になれないんだろう」
と言う疑問。それを全力で私たちにぶつけてくれる彼女の演技に僕はもうこの世界に引きずり込まれてしまっていました。
2人で座っているシーンでは、姉が妹の面倒を見ていて、見ていてほっこりしたし。
あ、仲良いんだなってわかりました。
そこで出てくる先生は実は低血圧のおじいちゃんと同一人物で、それは最初全然気づかなかったが、よくよく考えてみれば。2人の発声の仕方など似ていてそこまでこだわっているのかなって思った。
2人の演技は、ほんとにレベル高かったです。
低血圧のおじいちゃんの方は、表情と動き方。おじいちゃんと言う動きを残したままの動き。
ほんとに、魅了されました。
先生の方は、双子を思う気持ちを全面に演技に
出ていて声を上げる場面が多かったのですが、どれもどれも感情がとても籠っていて、これだけ言葉に感情を乗せられるってほんとうに凄いなって思った。。!
そんな中マリアとシュラは人間の世界と化け物の世界を行ったり来たり、先生も時間軸や次元までずらされる。
そんな複雑な構造を、彼女達は自身の演技力そして、団結力でやってのけるなんて。僕も演劇をやってる身としては非常に感銘を受けた。
団結力という点では、ピカイチとも言えるだろう。ダンスの時の足の鳴らし方。表情。動き。全てが揃い。完璧に合わさっている。
まさに、阿吽の呼吸とも言えるだろう。
それだけじゃない。同じセリフを同時に言う時のズレ。これは普通生じるものだが、全く無かった。これより、彼女達は我々を楽しませる為。この日の為。来る日も来る日も練習したのだろう。あそこまで綺麗に合わせるには、演者同士の信頼が必要。これは並大抵の事じゃ生まれないもの。それがあるのは、ほんとに素晴らしく思いました。
そして、終盤では分離手術が始まり。
シュラは、「なんの悩みも無く笑うだけの妹自分の死すら気づくまい」と。
残酷な考え方なのに、僕は演技に魅了され賛同してしまった。
手術後、 切り離されたシュラの姿は手術前のかつてのマリアの体になっている。
最初は、喜びを覚えそこからだんだん来る。自分とは何なのか、誰なのか。。
そんな揺れ動く心情を照明。音響。演技で表現されており凄かったです。。
最後になぜ、「半身」じゃないのかと僕は疑問を持ちました。
それは、確かにマリアは自分の1部だが、その反面何を言っても分からない他者であると言うこと。
他者の極致は「神」らしい。
神がどのような思考をしているかは、我々には分からない。
それを、マリアと見立ててみるとマリアも何を考えているか分からない。
つまり「神」と同じ。
だから「半神」なのかなって。思いました。
そんな、深く深くまで作り込まれた作品だろうと僕は思いました。
そんな、結構重たい内容なのだが!なんか不思議と楽しくなる部分も多く!扉を開く音が全部セルフ効果音だったり、杖持って腰悪そうなおばあちゃんが普通にめっちゃ走ってたり笑
特に!「はて?」と「果て」が押韻となっていて!リズミカルなそして、シリアスな雰囲気を醸し出していて聞いていて気持ちよかったです!
そして、それら全てを支えているのは、
照明と音響です。
どちらも、タイミングがぴったしで自然だし。
ついつい、口が開いてしまうほど驚きました。
特定の人物に光が当たり、その瞬間に音楽は止まり、周りの人も止まる。。
そんな3つの水が、三位一体となり海となり、私たちを溺れさせました。
化け物達にあった、照明の光をそれぞれ出したり。部屋を上下のSSを交互に光らせる事で表したりそうして、ここが部屋だぞって言うのを分からせる。視覚的な影響をほんとに研究されているんだろうなって思いました。
照明さんの技術にはびっくりしました。
音響に関しては、自然な入りと終わりで!
何箇所か「あれ、いつ始まった?!」
ってなるほどでした。
これは、音響さんの完全勝利です。
気付かせない程の技術と、音の強弱…
本当に見事でした。
素敵な劇をありがとうございました!
長尾高校3年 M
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