「Dear Moth.」 咲くやこの花高校(関西学院千里国際高等部)

咲くやこの花高校「Dear Moth.」の観劇ブログを書かせていただきます、関西学院千里国際高等部2年の大西です。咲くやこの花高校演劇部のみなさん、公演お疲れさまでした!
最後のご挨拶の際に言いきれなかった感想も含めてここに書いていこうと思います。

まず、このお芝居は高校演劇ではあまりみないミュージカル形式のお芝居となっていることに驚きました。劇中で使われている曲もオリジナルとのことで、ミュージカルならではの音楽という要素を大切にされているのが伝わってきました。劇での会話中もBGMとして音楽が流されているシーンがあったのですが、ずっと流れていても全く違和感を感じませんでした。

かなりシリアスな脚本のなか、役者のみなさんがそれぞれのキャラクターをしっかりと演じられていていつのまにかこちらものめり込むようにして見てしまいました。アイリーンの葛藤や、イレネの純粋さの裏にある狂気。アネットの妹に対するアンバランスさ、オリオの感情を抑えているようで漏れ出てる本音。なかでもガガのあの近づいてはいけない、とにかくやばい感じがすごくすごくかっこよかったです。また、アンサンブルの方たちのヤジがとても上手かったです!!アンサンブル以外でこのお芝居で歌うのは主人公のアイリーンとイレネ、アネットなのですがお三方ともお歌がとても上手で感動しました。

「ひとりにしないで」というセリフが共有されているのが面白いなと思いました。みんな1人で耐えているように見えて、やっぱり誰かに縋りつつ生きているのかなあとも思います。また、この公演では客席から舞台上のヤジと一緒になってバラを投げるシーンがあるのですが、この時タイトルにもある「蛾」に我々もなったのだなと感じました。蛾の私たちは世間の出来事をエンタメとしか捉えていなくて、その場その場でニュースに群がって生きている。そんな実感が得られました。最後の赤ちゃんの人形の首が吊られているシーンが脳に焼き付いています。

全体的に見ていて、シンプルに舞台として演技以外も色々な所に力をいれて綺麗に作られているなと感じました。吊られている満月、端にある蝶のついたランプ。演技をするときも舞台全体を使うのではなく、ツラと奥でわけられた装置と明かりのもとで演技をされているのが観客としてもここはこういう場所なのだな、と理解がしやすかったです。ミュージカルシーンの照明もシンプルながら効果がちゃんと計算されていて迫力満点でした。衣装や小道具もシーンごと、キャラクターごとで世界観が統一されていて、舞台としての完成度がとても高かったです。

この先のお話も、いつまでも観ていたいと思えるお芝居でした。とても長くなってしまいましたが、咲くやこの花高校さん、本当にお疲れさまでした。素敵なお芝居をありがとうございました!


この度、咲くやこの花高校のHPF公演「Dear Moth.」の観劇ブログを書かせて頂きます、当番校関西学院千里国際高等部1年白藤大聖です。まずは公演お疲れ様でした!人生で五本指に入るくらい面白くて自分の好みにとても刺さる舞台でした!このブログでは、その中で自分がいいと思ったところをいくつか述べさせて頂けたらいいな〜と思います!

まずは脚本について!観劇後、私がまず一番最初に出てきたのは「この脚本書いた方、絶対頭が良いだろう」っていういかにも頭悪そうな感想でした笑。フランス・ドイツ等、中世ヨーロッパの世界観のようで、それでいて醸し出されるどこか日本のアニメ・漫画っぽい雰囲気。(特にガガ役の方のセリフに多かった)洋画風の言い回し、随所にちりばめられる伏線、そしてそれらの余すことない回収...恐らく舞台の観劇経験やそれに関する知識が多いだけでなく、様々な世界を今まで見てきてた方が書いたんだろうなぁと感じました。また、ラストシーンのステージでの歌唱以前に全ての伏線が回収され、全ての謎が解けた状態でそれに移れる脚本構成になっているのが、とても秀逸で素晴らしいと感じました。そして何より、客席を使ったパフォーマンスがユニークで面白かったです!この舞台ではアネットやアイリーンなどの光と呼ばれる人々と、一般人であるアンサンブルや私達との立場が明確に別れているのですが、アンサンブルの一部の部員を客席に配置することによって、私たちは舞台中と同じ群衆の一人であるという意識付けがされ、観劇者の没入感がとても上がるようになっていてとても感激しました!

次に音響について!私は普段裏方で音響を担当していて、たまに音響編集や楽譜打ち込みなどは行うのですが、今回の咲くやこの花さんの舞台はミュージカルということで、劇中で歌唱パートのあるinst音源は、全て生徒制作ということらしいです。何事!?そしてその音源のどれもがもはやプロの所業とも言える程の完成度・音質で、脚本とも抜群の調和性を発揮していて、同じ音響人として尊敬に値します!!また、ガガが出てくるシーンで毎回スウィングっぽい、テーマソング的な立ち位置の音源を再生しているのが、ガガの胡散臭さを強調していてとても効果的だと思いました!
これはとても個人的な感想にはなってしまうのですが、ガガさんの体の動かし方...ちょっと大袈裟な体の動かし方がとても役にハマっていると感じました!!またそれ以外にも、抑揚のアップダウンの激しい声色、何より治安悪そうな見た目など、全てに胡散臭さを感じてめちゃくちゃ良かったです!

さて、書くスペースがなくなってきたので、最後に特に好きなシーンを書き連ねていきます!ガガとイレネがお互いを牽制し合うシーン、特に「これもジョークですか?」っていうセリフが特に好きです。また、イレネとアイリーンがラストシーンでリサイタルするシーンも好きです。どちらも歌唱力が飛び抜けて良すぎて....特にアイリーンさんの歌唱力に鳥肌が立ちっぱなしでした...鳥になりそう...パーライトの黄色のライトに照らされたガガのシルエットもめちゃくちゃかっこ良かったです!そしてリサイタル後のイレネとアイリーンが面会室でトイピアノを弾きながら歌うシーン、アイリーンが「それでもいい」じゃなくて「それでもやだ」と声を震わせながら自分の気持ちを歌に乗せて声を振り絞るシーンが最高に良かったです!!!!

もっと話したいシーンはあるのですが、さすがにこれ以上は冗長になってしまうので、ここら辺で切りあげることにします。
最後に!!!!!!咲くやこの花高校さん本当に公演お疲れ様でした!!!!最高のお芝居ありがとうございました!!!これからも応援しております!!!!

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