「FLOAT」 長尾高校 (咲くやこの花)
長尾高校HPF公演『FLOAT』を観劇して思ったことは、脚本がすごい。そして、そのものすごい脚本の良さを最大限に引き出し、表現している長尾高校さんはもっとすごい! まず、脚本の素晴らしさから書いていこうと思う。あの脚本には様々な社会問題が組み込まれていた。アスペルガー、ネット問題、コロナ、災害、ジェンダーなどなど。そんなにたくさんの社会問題を一つの、しかも1時間ほどの脚本に組み込むことなどできるだろうか。きっと、やってみようとしたら話の軸はブレ、上演時間は伸び、もっと複雑な話になり、お客様が十分に楽しめない劇となってしまうだろう。だが!『FLOAT』は周りと馴染めない少女、という話の軸はブレずに上演時間は約1時間、物語は簡潔に分かりやすく、しかも感動まで与えてくれる。なんて親切で素晴らしい脚本なのだろう。この脚本を書いたクラーク記念国際高等学校の方は、もう一生遊んで暮らしていてもいいと思う。 そして、そんな素晴らしい脚本を潰すこと無く、むしろその良さを最大限に引き出して倍増させていた長尾高校さん…大好きです!!まずは役者の方々。全員声が通ってて聞き取りやすかったです。マー子役の方。叫ぶところや、感情を込めているところ。声は潰れてさせているのに台詞は潰れていない、尊敬します...!あと髪の毛綺麗すぎませんか!?あの艶には驚きました…。そしてタチバナ役の方、個人的に一番好きでした。なんだか、クールで色っぽくて…ゲネプロではまだ幼さが残っていましたが、上演ではメイクをしていたおかげで色気というか艶めかさというのか…倍増されていて息を呑む美しさでした…!他にもフィジカルお兄さんやとらんぺっこやお兄ちゃんなどなど、皆さん凄く良いお芝居を見させて頂きました!そして、演出。もう…言葉に出来ないほど良かったです…!特に、傘を使うシーン。スモークを焚いて丁度センターの方にスモークが来たタイミングで、周りを囲うようにしていた役者さんたちが開いた傘を前に突き出す。そうすると、スモークが舞っていて…。あの時の感動は忘れられません。そして音響のタイミング、照明の切り替え、すべてが『FLOAT』の為にあるのではないかと思わされました。尊敬します…! 他にも好きなシーンや語りたい事などはたくさんあるのですが、長くなりそうなのでここまでとさせて頂きます。長尾高校の皆さん、素晴らしい演劇を本当にあり...