「陽花集〜桜・向日葵〜」 堺西 ()

  堺西高等学校『陽花集〜桜・向日葵〜』の感想です。


 『桜 』と 『向日葵』の 二本仕立てのお芝居でした。

 まずは、『桜』から。 母がはやくに他界し、男手一つで育てる父と花(娘)のふたりのお話。父の一生で、ふたりだけの時間。

 花が幼少期のころから話ははじまりました。 花が小学生のころは、楽しく微笑ましく 高校生になったら、葛藤があり、切なくもあり 。

 二十歳になったら落ち着きつつも小さい頃の面影もあり 、父を見送るときは、しっかりとした大人を演じわけていました。

 花の成長や、ふたりはどういう日々を過ごしてきたのかがよく分かりました。

 ふたりだけの時間が、会場内に確かに流れていたように思います。

 父の、花を見つめる目や、髪をくしゃくしゃさせる動作には、愛がこもっていたし、本当に親子のようでした。会場も、温かな雰囲気と笑いで包まれていました。

 普通に生活していたら見ることはできないであろう、自分の家族以外の、家族のかたちを見ることができました。

 それは役者が真摯に役と向き合っていたから見ることができたんだろうと思います。

 先輩の感想も一つ。 花咲かじいさんの解釈がとても面白く、お父さんが演じる花咲か爺さんの芝居が雑で良い感じだった。

 お互いの思いをぶつけ合ってからのお父さんが後ろからギュってしたところが家族の愛って感じで感動した。

 親子の絆にうるっときた。

 つづいて『向日葵』 演劇部の女子高生と営業のサラリーマンのお話。

 公園で向日葵に水やりをやっているところ、サラリーマンに声をかけられ、ふたりの事情や思いを話していく、会話劇でした。

 先輩の感想を! 関西弁がとても上手く、テンポが良く、二人の距離感がとても良く出来ていたなと思った。

 自然な会話をしていたように思います。

 こちらも、本当に女子高生とサラリーマンでした。

 最後に全体を通して こちらは先輩の感想です。

 役者と裏を一つの芝居で両方出来るのが凄いと思った。劇中にでてきたダンスが個性的で、一生懸命覚えたんやろなと思った。

 堺西高校演劇部は3年生2人、2年生2人の4人で活動しています。

 『桜』のキャストは『向日葵』で裏をやり、『向日葵』のキャスとは『桜』で裏をやるという…

 みなさん、表情豊かに演技をしていました。生き生きとしていました。滑舌もよくて聞き取りやすかったです。

 『桜』は舞台上には役者ふたりだったので、マイムがよく出てきましたが、そのマイムも丁寧でした。

 最後のみんな揃ってのお辞儀もピシッと、後説も決まり、抜かりなく稽古をされているんだなと思いました。

 演劇にたいして真っ直ぐな姿勢が、とても素敵でした。

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