「街灯に火をつけることは、星を一つ、余計にきらきらさせるようなものだ」 関西創価 (東海大学付属仰星) 

 『街灯に火をつけることは、星を一つ、余計にきらきらさせるようなものだ』

 これは、劇中で心に残っているセリフです。舞台は戦争中で街灯の明かりが消えた暗い街。その街で希望をつかもうともがく人々の姿が色濃く表現されていました。少し変わった人物であるモーリツさんを中心に展開していく物語ですが、彼の明るい性格のおかげで重いテーマでも暗くなりすぎず、見ていて飽きませんでした。

 自殺するふりをしていた少女がガストン夫人に指の拳銃を向けるシーンはまさに希望のない時代を象徴しているかのようで、とても強く印象に残っています。しかしその中で、点灯夫が街灯に火をつけるように人々の心に希望をつけて回るモーリツさんはとても輝いていました。街灯の火に照らされるモーリツさんと少女のシルエットが力強く見えました。

 演出の視点から見た感想としては、ガストン夫人の演技が自然で良かったです。モーリツさんの演技もとてもいい味を出していました。

 音響は少女が扉を叩いたりモーリツさんの妻がカーテンを閉めたりするシーンの効果音のタイミングがぴったりで自然でした。BGMの音量もちょうどだったように思います。照明も音響と息が合っていて気になりませんでした。また、舞台装置の街灯や橋の欄干が丁寧に作られているのが伝わりました。

 素晴らしい劇をありがとうございました。

【東海大仰星高校、工藤】

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