「うさみくんのお姉ちゃん」 北かわち皐ケ丘 (堺西)
まず、セリフの掛け合いがとても上手で、それぞれのキャラクターの個性を良く理解しており、一年生とは思えない演技力と、素晴らしい声量。一年生を指導してきた二、三年生の先輩の演技力にも感動しました。
最初の女子がすごい嫌な奴を演じているなと思ったこと、溝呂木君が注目されていないシーンでも常に気を抜くことなく演技を続けていたこと、宇佐美君と松田君のやりとりのおもしろさ、あげたらキリがないほど、全員の表情や動きが豊かで輝いて見えました。お姉ちゃんが勘違いした友達の勢いに飲まれ、どんどん縮んでゆく感じや、知らないと言いつつも溝呂木君を守り、勇気づける姿勢が実にうまくできていたと思います。
数学の教科書の開きだけで、宇佐美君が居残りさせられるような生徒だとわかるように、ちょっとしたところにも情報がちりばめられ、終始楽しめるおもしろい劇でした。
本当に、目、耳だけですごい情報量が入ってきました。
セットも机やイスを並べただけの簡単なものでしたが、とても立体的で、役者達が作り上げる独特な世界に一瞬でのめり込んでしまいました。
役者のひとつひとつの動作がとても丁寧で、そのキャラクターの性格を連想させられた。みんなそれぞれ個性があってすぐに愛着が湧きました。
演技に迷いがなく、思い切っていたので観ていて気持ちよかったし、恥じらいもなく笑ってしまいました。本当に“つい”笑ってしまう感覚で、観客を楽しませることをちゃんと意識できているんだと感銘を受けました。途中歯痒さを感じたり、最後には少しうるっときてしまった!これは弟が姉を慕う気持ちだったり、姉が弟を想う気持ちだったり、臆病者の成長だったり、最後にはみんな愛と勇気で少し成長していることに観客は気づくんですね。きっと役者が演じるキャラクターとして、弱いところも強いところもさらけ出していたからこそわかることだと思います。観客としてキャラ達の成長を見守れたことを非常にうれしく思います。キャラ同士の普段の関係性もすごく伝わってきて、冒頭のあの女の子達はいつもこんな話をしているんだろうなとか、姉の松田君に対する扱いはいつもこうなのかと短い間で伝わってきたので、演出にない、それぞれの日常も想像できてまたそれも楽しいなと思いました。
北かわち皐が丘高校の演劇部は細かい演技がすごく上手で私たちにないものを持っているので、うらやましい、悔しいと思ってしまいました。スタッフパートの担当についても、2年生中心で全学年をまんべんなく配置し、技術や経験を次の世代へ引き継いでいるのだなと思いました。「演劇部」として、しっかりとした、とても良いクラブだと思いました。同じ演劇部の目線としてたくさん盗みどころのあるお芝居でした。
北かわち皐が丘高校のみなさん、お疲れ様でした。素敵なお芝居をありがとうございました。
堺西高校演劇部
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