「あれも これも それも きっと ぜんぶ わたし」豊島高校(箕面高校)

豊島高校さんの観劇ブログを書かせていただきます、箕面高校二年生の金子です。
まず初めに、豊島高校演劇部の皆様、公演お疲れさまでした!  素晴らしい劇を観させていただき、ありがとうございました!
コミカルなシーンはどれも面白く何度も笑わせていただきましたし、シリアスなシーンでは人物間での対立や意志の違い、変化といったものが丁寧に描かれていて、観ていて本当に面白かったです!  私のお気に入りのお笑いは "新米"に対しての"備蓄米"です。

さて、話は演劇部が文化祭の舞台公演に向けた稽古を行っている場面から始まります。その練習をしている台本というのが、昨年豊島高校さんがHPFで上演された『サマー婆ケーション』の冒頭のシーンだったんです。私事にはなってしまうのですが、昨年の『サマー婆ケーション』を観劇していた私は、豊島高校演劇部さんの代替わりを感じられて感慨深くなってしまいました。
話は、文化祭の台本をめぐって進んでいきます。突如、生徒会によって文芸部・漫画研究部との合同公演をすることになった演劇部の脚本、あおいは各部の意志を取り入れながら脚本を練り直していきます。融和し難い要求に悩まされるあおいの姿は、観客に共感を誘うものでした。その共感は、あおいの"自分の意志を強く言わない"という性格から来ているのだと思います。台詞の間や所作、表情に"演劇部の常識"が通用しない他部活からの要求に困惑した様子が映し出されていました。
なんとか台本を仕上げ、稽古を始めます。稽古の準備を進める様子から、劇中では描かれていない普段の演劇部の雰囲気が感じられました。
役者がそろい、稽古を始めます。しかし、各部は満足出来ておらず、不満から対立が起き、それが激化していきます。感情の昂りや周囲の動揺など、舞台役者一人一人の所作に見応えがあり、どこを見ていようかと悩んでしまいました。その位、舞台全体に"見る価値"を与える演者さんは本当に凄いと思います!
あおいは難しい状況の中、台本の練り直しを進めます。ここで、あおいが何故"自分の意見を言わなかった"のかが判明します。あおいの性格をただ"そういう人"というだけで済ませず、頭の中での対話から理由を導き出すという演出に感激しました…!
先の稽古での反省から、次の稽古で謝り合う3部活。そこには、お互いへのリスペクトがありました。またここで、「熱意をかけるところが違う者同士、ぶつかるのは当然」というなんとも格好良い名言が放たれます。
この対立を通して3部活間の理解と信頼は高まり、新しくなった台本での稽古では意見を言い合え、相談し合える関係へとなっていきました。この場面で生徒会長の、3部合併の提案を断るあおいの姿はとても格好良かったです。

そして最後、文化祭公演のシーンを映して終劇となります。各部部員たちの絆に心が惹かれました。公演後の様子は描かれていなかったのですが、私は文化祭公演後の部員たちの様子を想像して和んでしまいました。

演劇部・文芸部・漫画研究部の意志の違い、それを受け止めるあおいとその仲間の成長に感動しました!
最後になりますが、改めて、素晴らしい劇を観させていただきありがとうございました!!

まずは豊島高校演劇部の皆様、公演お疲れでした!当番校として関わらせていただいたことを光栄に思えるほど素晴らしい劇でした。
演劇部が文芸部と漫画研究部とともに合同公演を行う。それぞれの意見のすれ違いが互いの成長につながっていく。
なんと言ったってずっと楽しく面白い劇でした。まだ観劇していない人はこんな文字列で知るのではなく、まず観劇してください。本当に。

演者の皆様もとても素敵でした。
舞台上における演技は学ぶところばかりです。
演劇らしい動きをしつつ、実は近くで見るとリアリティのある細かい動作が伺える。セリフを自分のものにして空気感を作り出しており、役者を見ているという感覚を忘れるほどのものでした。
劇中劇との演技の仕方の切り替えも目を見張るものがありました。

音響と照明の皆様、素晴らしかったです。どんなことをしていたか事細かに思い出せない。これは役者を生かし、自然に魅せられたんだなと思わされていたということです。
メイシアターという広い会場だからできる演出は簡単に辿り着くものではありません。

「新米ヒーロー」に対するは「古い備蓄米ヒーロー」など、思わずひとめぼれしてしまうようなセンスが際立つ言葉の数々。お客さんが笑えるラインを熟知していることがどれだけすごいかを改めて感じさせられました。また、元ネタを知らなくても笑える、知っているとさらに笑える、高校演劇を飛び越え老若男女を巻き込む領域に達していると思いました。
途中、劇中劇に入るタイミングがあります。ずっとバラバラに置いてあった大道具が目の前でひとつのカタチになる。とても面白い演出でした。このようなたくさんの面白いが豊島高校というブランドを確立しています。
また高校生の置かれている立場と劇中劇とのリンクが物語の深みを感じました。豊島高校らしさを残しつつ、新しいものを開拓しています。

豊島高校さん、素晴らしい舞台をありがとうございました。本当にお疲れ様でした!!
 (箕面高校2年 三間)

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