「フエキ りゅーこう」 東海大学付属大阪仰星高校 大阪産業大学附属

 東海大学附属大阪仰星高等学校の「フエキ りゅーこう」を観劇させて頂きました。

 突然お話が始まりびっくりしました。ですが後から思い返してみると戦争とは、日常と地続きだと感じさせられました。
 詩的な格好をした男性がオルゴールを奏でる場面から始まり、もう1人の男性が入ってきて先生の放送を合図にダンスが始まったのですが、それがもう圧巻で、ダンスに照明に舞台上で行われている演出に目を奪われました。
 そこから完全に舞台に引き込まれ、役者一人一人個性が個性が強く、ダンスが上手い人、ピアノが弾ける人など色んな登場人物が楽しそうに日常を過ごしていると思いきや、突然警報の音が鳴り響きそれまでとは打って変わった様子を見て、この子達は常に危険と隣り合わせであることがわかり胸が引き締められました。
 序盤の方から名前が出ていたソニアでしたが最初は姿が見えず、警報の後にジョーに抱えられながら登場し、ソニアの悲痛な叫びにより戦争の惨劇は身近にあるものだと実感させられました。
 今まで安全だとされていた学校も爆撃の危険に晒されたので、大変ながらも楽しかった学校も別れを告げなければならず残るか残らないかのそれぞれの葛藤がありながらも、前へ向かっていこうと言う最中で、爆撃の魔の手が迫り、感情が揺さぶれているのがわかりました。
 1番最初に述した男性が戦場で残されたラストシーンで冒頭のシーンと情景が重なり、気づけば涙腺は緩み感動が込み上げてきました。最後の最後で皆んなで集合写真を撮ることになりましたが、残されたものと死んでしまった人の境界がきっちりと描かれており、ラストにもう一押し切なさを感じさせ、自分達の置かれているこの平和な日本とウクライナの状況とを思いを馳せらせるラストになっていました。
 「フエキ りゅーこう」を観劇しとても感激しました。この時間を届けて下さった東海大学附属大阪仰星高等学校の皆さん、素敵な舞台ありがとうございました。お疲れさまでした。

大阪産業大学附属高等学校 2年 西脇愛子・山本万里江

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