「なんてまてき」 大谷高校 (大阪女学院高校)
7/24、大谷演劇部さんによる「なんてまてき」を観劇しました。劇を観ての率直な感想は「これが全国に行かれる方々の演劇なんだ」でした。役者、音響、照明、小道具、全てにおいて主役級の存在感を放っていました。
書きかけの反省文からはじまる「なんてまてき」、その文章の中身が山の中の冒険とつながっていて、さらにそれが鹿毛野の過去につながっていて、何気ない一言一言、ひとつひとつの演技に対する謎が、クライマックスになるにつれて解決されていくことに感動しました。時折鳴る鈴の音にあわせて場面が変化していく場面転換がわかりやすく、初めて観た私たちにも、演技がしっかり伝わりました。
役者さんの演技については、笑えるシーンはとことん客を笑かし、泣けるところはとことん客を泣かせるという、メリハリがはっきりしていたのが素晴らしかったです。「今どのような状況なのか」ということが容易に掴めたし、何よりどのシーンも退屈せずに楽しく観ることができました。また、一番凄いと思ったのは、無駄な間が一つも無かったことです。間を上手く使って、お客さんを笑わせていたのが印象的でした。ちょくちょく登場した「まのせい」のお二人が、一瞬だったにも関わらず、その一瞬で魅了される美しい動きでした。フォームがとても美しく、「The・妖精だあ」と思いました。どの役者さんも輝いていて、「脇役」とか「端役」なんていう役は一つも存在していませんでした!!全員が印象的で、そのときの姿が今でも頭から離れません。
音響と役者の息がぴったりで、役者の演技がさらに引き立っていました。音量が少しあがってから、役者のセリフに入るところで瞬時に下がったり、流れ続けるところでは役者の演技を邪魔せず、かつ存在感のある絶妙な音量だったり、音響には様々な部分で感心させられました。さらに、客との感情のリンクが凄まじく、タイミング・プランすべてにおいて最高でした。
照明は、きれいにカーテンを映していたのが印象的でした。薄青い色から、虹のようなグラデーションまで、美しく幻想的な世界観を醸し出していて、とても感動しました。何より、鹿毛野と先生の居る場所を照らす位置と色合いが素晴らしく、森と学校という場所の違いをとてもうまく表現していました。また、一番最後、暗転に向かう直前の赤い照明が個人的に好きで、「おわってしまう、、」という気持ちを更に煽るような演出で、とても良かったです。
小道具で、一番凄いと思ったのは電話です。あの形態の電話をどこから持ってきたのか、あるいは作ったのか、それが気になりすぎて、つい電話ばかりに目がいってしまいました。また、「この先はいるな」という忠告の看板が、まさか折りたたまれて、電話の置台として使えるようになったことに、声が出そうになるくらい驚きました。どの小道具もハイクオリティで、世界観に合うものばかりでした。
そしてカーテンコールでは、HPFに参加している全ての学校さんの名前が書かれた紙を持って、ノリノリで踊っていらっしゃいました。劇で感激して鳥肌が凄かったのにそこで更に鳥肌がたち、感極まって、私たち二人とも涙が出てしまいました。優しくて熱い方々なんだなと思ったし、私たちもHPFの一員であることを再確認することができました。思ってもみなかったサプライズに、本当に本当に感激しました。
7/31から行われる全国大会でも、大谷演劇部さんなら、私たちに与えてくださった感動をより多くの方々に届けてくださると信じています!
この度は、素敵な劇をありがとうございました。
大阪女学院高校 伊原 拓希(一年) 瑞原 紫(一年)
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