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8月, 2023の投稿を表示しています

「傷は浅いぞ」池田高校 (東海大学付属大阪仰星高校)

序盤から細やか且つ濃密に繰り広げられるギャグに笑わされ直ぐに劇に引き込まれました。コメディで最後まで笑って終わるのかと思いきや回想や劇の後半にかけて衝撃の事実が露わになり、劇が終わるまで口が開いているのに気がつかないほど劇にどっぷりと浸らせていただきました。中でも私のお気に入りの演技は愛弓のゴキブリ最中を食べる演技です。あまりに咀嚼や嗚咽を抑える動きが上手で自分もゴキブリを食べている気分になりました。食べ切った後の目に少し涙が浮かんでいるのがこれまた良いスパイスになっていました。正直普段悪役を観ても演技の問題であまり腹が立たないという事があるのですが、今回の立刀花さんの演技、存在感が大変秀でておりとても客をイライラさせていたかと思います。一本槍さんはアイドルに振り回されるが模範的なマネージャーとして全力でサポートする姿勢かっこよかったです。盾林さん。ずるいです。いい意味で、何度笑わされたか、出て来ただけで放たれる異様なオーラ遊び心ある演技、女性らしい所作劇が進行する上で欠かせないコメディアンでした。本当に自分のあらゆる感情を揺さぶられ続ける劇で心から楽しませていただきました。(3年 瓜坂治透)  公演お疲れ様でした。「傷は浅いぞ」を観ての感想は、言い表すならば、ずばり、とても面白くて最後に考えさせられる芝居でした。アイドルを目指す女性と専属マネージャーの二人がメインの物語でした。アイドルを敵対視している元アイドルのプロデューサーの嫉妬も含まれていて、鎖鎌が致命傷になって、、、。という笑いになるシーンがあって最後にまでも笑わせて頂いてとても良かったです。最後の最後に現実?に戻ってきたときは、今までの経緯は全部主人公の頭の中?だったのかと困惑したので、真相を知ってみたいという気持ちにもなりました。個人的には、女性役の男性の女性のような話し方や仕草が女性に非常に似ていたのでお客様も終始笑っていたのではないかと思います。アイドルが本物のGを食べたと知ったときには少し引いてしまいました。しかし、後からわかる本人の強い思いがこれらのことを可能にしているんだと考えさせられるので、自分も強い意志を持ちたいと感じました。  本日は本当にありがとうございました。(3年 川口瑚々海)

「赤ずきんちゃん!」 精華高校Bチーム (長尾高校)

見ていて雰囲気に飲まれて、終始不思議な感覚に陥っていました。赤ずきんと母親、猟師(父親)と祖母の関係がシンクロしていて、どちらも親からの解放、自由を求めて原作の赤ずきんとは異なった終わり方していたのが良かったなと思いました。赤ずきんは今まで寄り道などしなかったというセリフがあったのですがそれは親の過保護で束縛し、自由を与えられてなかったのかなと考えました。初めの母親の印象は子供思いの良いお母さんって感じでしたが話が進むにつれ、母親のどこかおかしい、普通の人とは違うんだっていうのを気付かされました。また、猟師と祖母の関係もどこか赤ずきんと母親の関係と似ていて、猟師も祖母から解放されたいという願望があったから赤ずきんの寄り道したい思いを自分と重ねて彼女を逃す選択をしたのが、父親としてちゃんと見ていたんだなと思いました。多分、自由になりたいっていう願いを持ってるのは赤ずきんや猟師だけが持ってる感情じゃないと思うんですよ。今現在の社会でも親の束縛から解放されて自由になりたいとか、仕事から解放されたいとか何かしらの自由願望があると思います。私はこの作品を観劇して思ったのが、自由になることは難しく、他人の思いを捻じ曲げたとしてもぶつかっていって願望を叶えるのも悪くないんじゃない。というメッセージ性を感じました。全体的にまとまっていてすごく楽しめた作品でした。 精華高校演劇部の皆さん。とても楽しい劇をありがとうございました。

「赤ずきんちゃん!」精華高等学校Aチーム (金蘭会高等学校)

8月2日水曜日ウイングフィールドにて、精華高等学校の「赤ずきんちゃん!」を観劇させて頂きました、金蘭会高等学校演劇部です。 まず初めに「赤ずきん」という童話の世界をしっかり表現されていた音響について、お話させていただきたいと思います。客入れの段階から、劇の中の雰囲気を崩さずに、尚且つ「これからどんな劇が始まるのか」というワクワク感を引き出されるような感覚でした。劇が始まった途端の普段聞き慣れないような音楽で、一気に劇世界に引き込まれました。ミュージカルのように歌や踊りを取り入れ且つ、転換の際の独特な動きには私たちでは成し得ない大きな発見がありました。 照明では、音響と同じように「赤ずきん」という童話の世界を表現するために、地明かりが少なく幻想的な雰囲気に仕上がっていたのではないかと思います。また、シーンごとの切り替えが多かったこの作品で、照明をきっかけにしたシーンが多々あるように見えましたが、どのシーンもミスがなく私たちもまた気持ち新たに次のシーンにしっかり集中することができました。 そして役者の皆様。ウイングフィールドという役者と客の距離が近いからこそ、役者の方の表情や動きがしっかり捉えられ、また爪先や目線までしっかりと意識を張り巡らし、美しい流動的な動きを見事に再現されていたことに圧巻を受けました。動かずに長く立つ時間が長かったと思いますが、それでもそのストップモーションに隙が無く、だからこそ舞台前方で繰り広げられていた劇世界にしっかり入り込むことができました。誰しもが舞台上にいる時は台詞を言う訳で無い、だからこそ動きや視線、演劇において重要なのは言葉だけではないということを実感することができました。 また、今回の「赤ずきんちゃん!」という劇では親子間による精神的束縛の連鎖、愛情の裏、そして自由という大きなメリットの代償など、誰もが一度は心に思い浮かべたことのある小さく、そして大きな悩みを童話に絡めて客である私たちに伝えようとしていたのではないでしょうか。 最後になりますが、精華高等学校演劇部の皆様。アフタートークを含め、素晴らしい60分間をありがとうございました。貴校のますますのご活躍をお祈りしております。 金蘭会高校2年 大野雛乃 金蘭会高校1年 藤本愛心 #end

「ナイス・コントロール」 美原高校 (大谷高校)

美原高校さん、 「ナイス・コントロール」の上演、お疲れ様でした。 会場中から、下手のテーブルクロスがスクリーンになっており、文字が映し出されていて、喫茶店のようなポップな雰囲気の装置に心躍らせ開演する前から楽しめました。 いざ、開場すると、最初はなんの投票をしているのだろうと不思議だったのですが、小鬼に見守られながら段々と解き明かされる謎に目が離せませんでした。 飲み物と数字の関係など、 伏線が張り巡らされており、 1度目よりも2度目が面白くもっとじっくり見させて頂きたいなと思いました。 現世とあの世の中間に位置する喫茶店に集められた10人は、 それぞれ、戻りたい事情、 戻りたくない事情があり その中の人間模様を見ているのも楽しかったです。 最後、結局は全員同じホテルにおり、乾ジンのタバコの火の不始末だったというなんとも、やるせない結果だと思えば、その先にも物語があり、2転3転とする芝居にハラハラでした。 舞台と客席が近いのもあり、役者さんのお顔がはっきりと見えました。皆さんのコロコロと変わる表情に思わずクスッと笑ってしまいました。役者の方々一人一人キャラクターが濃くて、終始笑いっぱなしでした。 どのキャラクターも魅力がたっぷり詰まっています。 音照さんの息もぴったりで、 赤い照明で、事件の再現をするシーンでは私もホテルにいたかと感じてしまうほど引き込まれました。 投票の後の次の日になる転換での曲が印象的で、曲に合わせて役者の方が動いてらっしゃるのが面白いなと思いました。 思わぬ所で、人間って結局繋がっているものなんだなと感じました。 あっという間の90分で、物語の展開や工夫された数々の舞台に端から端まで目が離せませんでした。 今回は、素敵な作品をありがとうございました。 大谷高校3年 清水沙羅羽 大谷高校1年 石井日陽