「つたない先輩」桜塚高校 (美原高校)
★この度、「つたない先輩」の感想ブログを書かせていただきます、美原高校三年生の寺下です。桜塚高校演劇部の皆様、まずはお疲れ様でした!素敵な公演でとても、とても面白かったです!
全体的にとても軽快に進んでいて、上演時間70分があっという間に感じました!!
ゲネと本番、両方観させて頂きましたが1回目には気づけなかったことに気付けたりして、本当に何度観ても見飽きたりないくらい完成度の高い舞台だと思いました!
ここからはあくまで僕が感じた感想ですが、このお話は「過去のトラウマを克服することは、未来の幸せを掴む鍵となる」ということを伝えたいのではないかと思いました。
特に顕著に感じたのは、中学時代に恋愛関係で最悪な部活動をすごしたあらくれ君。
彼も同好会に入ってすぐは自分に告白してすぐ忘れたコイ先輩の事を多少疎ましく思い、かなりの動揺を見せていました。
しかし、つたない先輩と後輩が話を聞いてくれ、それから夏休みも秋も超えて長い付き合いとなっていたコイ先輩とあらくれ君は、多少自虐的にネタにしながらも最初にコイ先輩が言っていたような「普通の友達」になれているように見えました。過去にピンポイントな出来事でトラウマを抱えていたあらくれ君がです。
そして、物語を通して明るく振舞っていたつたない先輩。彼女も過去に友達と思わしき子達から自身の世間知らずを理由に鋭い言葉での拒絶を受けており、正直終盤までは真の意味で昔のトラウマからは救われてなかったのではないでしょうか?
しかしクライマックス、後輩からの本心の叫びを聞き、彼女は笑っていました。それは最初に見せていた笑いとは違う、真実の笑みのように見えました。
そして最後は、後輩から「世間様」への語りで終了。
僕にはこの一連の物語が、過去にトラウマを抱えている人への蜘蛛の糸のように感じ、先のような感想になりました。
長くなりましたが、桜塚高校さん、本当にお疲れ様でした!
今日のこの思い出を忘れず、美原高校もHPF駆け抜けていきます!素晴らしい舞台をありがとうございました!!
全体的にとても軽快に進んでいて、上演時間70分があっという間に感じました!!
ゲネと本番、両方観させて頂きましたが1回目には気づけなかったことに気付けたりして、本当に何度観ても見飽きたりないくらい完成度の高い舞台だと思いました!
ここからはあくまで僕が感じた感想ですが、このお話は「過去のトラウマを克服することは、未来の幸せを掴む鍵となる」ということを伝えたいのではないかと思いました。
特に顕著に感じたのは、中学時代に恋愛関係で最悪な部活動をすごしたあらくれ君。
彼も同好会に入ってすぐは自分に告白してすぐ忘れたコイ先輩の事を多少疎ましく思い、かなりの動揺を見せていました。
しかし、つたない先輩と後輩が話を聞いてくれ、それから夏休みも秋も超えて長い付き合いとなっていたコイ先輩とあらくれ君は、多少自虐的にネタにしながらも最初にコイ先輩が言っていたような「普通の友達」になれているように見えました。過去にピンポイントな出来事でトラウマを抱えていたあらくれ君がです。
そして、物語を通して明るく振舞っていたつたない先輩。彼女も過去に友達と思わしき子達から自身の世間知らずを理由に鋭い言葉での拒絶を受けており、正直終盤までは真の意味で昔のトラウマからは救われてなかったのではないでしょうか?
しかしクライマックス、後輩からの本心の叫びを聞き、彼女は笑っていました。それは最初に見せていた笑いとは違う、真実の笑みのように見えました。
そして最後は、後輩から「世間様」への語りで終了。
僕にはこの一連の物語が、過去にトラウマを抱えている人への蜘蛛の糸のように感じ、先のような感想になりました。
長くなりましたが、桜塚高校さん、本当にお疲れ様でした!
今日のこの思い出を忘れず、美原高校もHPF駆け抜けていきます!素晴らしい舞台をありがとうございました!!
美原高校3年 寺下奏太
★桜塚高等学校の演劇部の皆さん、本当にお疲れさまでした。今回ご縁あって観劇ブログを書かせていただきます、大阪府立美原高校の西内です。どうぞよろしくお願いします。
さて、今回の物語は、学校一の変人——いや、変人などと呼ぶのは失礼かもしれませんが、けれどどこか魅力的な「異分子」である蔦内(つたない)先輩が、平凡を愛する後輩を不思議同好会なるものに引きずり込む、というところから始まります。引きずり込む、という言葉がしっくり来るのも、彼の「流されやすさ」が巧みに描かれていたからこそでしょう。
後輩は、ただ声が小さい表現の仕方ではなく、表情や所作、肩のすくめ方、歩幅の狭さまでもが、「ああ、この子は人の顔色を見て生きてきたんだな」ということを静かに物語っていました。だからこそ、彼は「不思議同好会に入れられた」とき、はっきりと「帰りたい」と言える程度には、まだ自分を持っていた。けれど、「先輩に逆らうのは、悪いことだ」と思ってしまう、その"普通"をまとっていたからこそ、この物語は始まったのだと思います。
蔦内先輩の熱量は、次第に荒暮や小井にも波及していきます。彼らもまた、普通とは少し違う"何か"を抱えていて、その違和感が物語にゆるやかな陰を落とします。それが不自然ではなく、むしろすっと心に入り込んでくるような描かれ方だったのが、とても印象的でした。
中でも私が心を奪われたのは、セリフのリズムと間の妙です。蔦内先輩の誘い文句のテンポは絶妙で、無茶なことを言っているはずなのに、妙に説得力がある。その不思議な説得力に、私たち観客までもが「入会させられる」ような感覚に陥ってしまいました。そしてその会話の中に、ふとした瞬間に見える「普通になりたい」という真剣な願いが、胸にじんわりと残るのです。
一方、後輩の視点から見える世界は、非日常のなかで戸惑いながらも、少しずつ変化していく心の動きがとても丁寧に描かれていて、観る側としても自然と感情を重ねやすかったのではないでしょうか。荒暮や小井もまた、セリフに頼らず、視線や仕草ひとつで役の奥行きを表現していて、全体のバランスがとても心地よかったです。
特に大きな仕掛けや派手な演出があったわけではないのに、むしろその、そぎ落とされた空間の中で、会話の一つひとつがきちんと生きていた。そんな舞台でした。「不思議」とは何か、「普通」とは何かその問いが、最後まで答えを出さずに残されていたところも、観る人に考える余白を与えていて、とても面白かったです。
舞台上の皆さんが放っていた熱と、それを支える周囲の丁寧な構成に、心から拍手を送ります。本当に素敵な時間をありがとうございました。
後輩は、ただ声が小さい表現の仕方ではなく、表情や所作、肩のすくめ方、歩幅の狭さまでもが、「ああ、この子は人の顔色を見て生きてきたんだな」ということを静かに物語っていました。だからこそ、彼は「不思議同好会に入れられた」とき、はっきりと「帰りたい」と言える程度には、まだ自分を持っていた。けれど、「先輩に逆らうのは、悪いことだ」と思ってしまう、その"普通"をまとっていたからこそ、この物語は始まったのだと思います。
蔦内先輩の熱量は、次第に荒暮や小井にも波及していきます。彼らもまた、普通とは少し違う"何か"を抱えていて、その違和感が物語にゆるやかな陰を落とします。それが不自然ではなく、むしろすっと心に入り込んでくるような描かれ方だったのが、とても印象的でした。
中でも私が心を奪われたのは、セリフのリズムと間の妙です。蔦内先輩の誘い文句のテンポは絶妙で、無茶なことを言っているはずなのに、妙に説得力がある。その不思議な説得力に、私たち観客までもが「入会させられる」ような感覚に陥ってしまいました。そしてその会話の中に、ふとした瞬間に見える「普通になりたい」という真剣な願いが、胸にじんわりと残るのです。
一方、後輩の視点から見える世界は、非日常のなかで戸惑いながらも、少しずつ変化していく心の動きがとても丁寧に描かれていて、観る側としても自然と感情を重ねやすかったのではないでしょうか。荒暮や小井もまた、セリフに頼らず、視線や仕草ひとつで役の奥行きを表現していて、全体のバランスがとても心地よかったです。
特に大きな仕掛けや派手な演出があったわけではないのに、むしろその、そぎ落とされた空間の中で、会話の一つひとつがきちんと生きていた。そんな舞台でした。「不思議」とは何か、「普通」とは何かその問いが、最後まで答えを出さずに残されていたところも、観る人に考える余白を与えていて、とても面白かったです。
舞台上の皆さんが放っていた熱と、それを支える周囲の丁寧な構成に、心から拍手を送ります。本当に素敵な時間をありがとうございました。
美原高校3年 西内美結
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