「スターと」四天王寺高校(長尾高校②)

この度、四天王寺高校さんの「スターと」のゲネプロと本番を観劇させていただきました。
長尾高校3年の梶原結月です。

まず、あらすじを読んだ時点で、「演劇大会はうまくいかなかったけれど、最後の引退公演を大切にしたい。このメンバーで出る最後の舞台だから、次に向かって進もう!」というメッセージが伝わってきました。

タイトルの「スターと」には、"STAR"と"START"の掛け合わせに加えて、ひらがな表記による柔らかさや意味の奥行きを感じ、思わず「タイトルがすでに可愛い!」と感じました。

舞台は部室から始まり、黒田と小泉が大会の片付けをしているところから物語が動き出します。2人の間には部員へ隠し事があり、それを周囲に悟られまいとする空気が舞台に張り詰めていました。

中でも印象的だったのが照明です。先の見えない不安や、信じた道を行こうとする覚悟を表現するような、奥行きのある光の演出がとても印象的でした。音楽や照明が役者の動きとぴったり重なり、観ている私たちを一気に作品世界に引き込んでくれました。

小泉の「私は空っぽだ」ということに対しての犬養の想いにはとても胸を打たれました。部活で過ごした日々や、仲間との思い出が心にあるからこそ辛く、世間の評価によって演劇を嫌いになりたくないから、逃げてしまいたくなる。その気持ちが痛いほど伝わり、桂を始めとする部員達の笑顔で誤魔化すことの苦しさが胸に迫ってきました。

一方で黒田は、「自分は脇役だ」「みんなが輝いている」と感じており、自信が持てない様子でした。でも、作品を観終わった後にもう一度タイトルを見ると、黒田をはじめ、登場人物全員が"スター"のように輝いていて、そこから新しい道を"スタート"していくという、タイトルそのものが物語にリンクしていることに気付き、はっとさせられました。

この作品は、何度観ても面白く、高校での演劇部人生とは何だったのか、深く考えさせられる舞台でした。劇中の音楽にもあった「拝啓、少年よ」という曲の歌詞が、本当にぴったりだと思います。もう目標を純粋に馬鹿みたいに追いかけてた自分の姿をを泣き笑いたくなりますがとても楽しいと思わせてくれます。

話しは変わりますが、黒子ちゃんたちの去り際の足や、記念撮影に「君たちも入るんかい?!」っとツッコミたくなる演出でした✨️ギャル雪のお話も是非コミック化、アニメ化してほしいです!

パンフレットもカラーで凝っていて、待ち時間も楽しませていただきました。高校演劇部での活動がいかにかけがえのないものであるか、そして軽々しく語れるものではないと、人生を見つめ直すきっかけになるような作品でした。

この度は素晴らしい公演を本当にありがとうございました。心からお疲れ様でした!


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