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「ゆうあい」阿倍野高校(大谷高校)

  阿倍野高校さんの観劇ブログを担当します大谷高校1年生の畑中寿 花です。 阿倍野高校さんの「ゆうあい」を観劇させていただき、 とても心に残る有意義な時間を過ごせたなと深く思いました。 まず、「ゆうあい」 という作品がご卒業された方々が書かれたものということで、 このHPFで上演するプレッシャーや思いがそれぞれあったことは 想像できますが、 阿倍野高校さん13名と顧問の先生で必死に乗り越えられた結果が 本日見させていただいたもの全てなのだなと深く思いました。 私達大谷演劇部でも代替わりで少し似たような状況でしたので、 勝手ながら重ねてしまいました。また重ねるということで言えば、 演出面で「主人公だけが見える不思議な存在(生霊)」「 少しずつ開いていく中幕」「生田さんが高山さんに体を返す瞬間」 「壁を通り抜ける」等様々な設定や演出がありましたが、 私自身もとても面白いと思っている設定だったりしたため、 強く共感し、余計にお芝居に深く没入することができました。 ここからが芝居のお話になるのですが、 まずキャラの存在が粒立っていてとても面白く見させていただきま した。特に木山さん、 劇中でもカラオケや朝の登場で存在を際立たせていましたが、 まさか最後に厨二病になっているとは驚きです。 そのまま厨二病ネタでカーテンコールにまで笑いを起こしてしまう のが本当に素晴らしいです。 また音響はドアなどのSEも細かく、 暗転中も観客の心を離さない工夫が細かくて、 またそれに使う音響も「妖怪ウォッチ」 など優しい馴染みある音が心やすらぎました。 照明はサスでシーンをガラリと変えてしまうのが凄く、 エリアによって区切った照明もとても見やすく、 最後の重要なシーンに使うピンクの照明、 シーリングのみで顔をとる発想が独創的でとても面白かったです。 またずっと絵が見やすく、 人と被っていることがまずありませんでした。 そのおかげで表情が分かりやすくとても映えていました。 いいシーンに絵面が良すぎてHPFニュースとして印刷された時、 どのシーンが選ばれるのかとても楽しみです。 また作中でチラチラ顔を出す「SSS」、 本当に読んでみたかったです。また、最後の「 SSSのどこが好き?俺S!」ではゲネプロ・ 本番と爆笑の空間が広がっておりました。 遊び心満載で本当に素晴らしいです。ちなみに私はSが好き

「熱闘!!飛龍小学校☆パワード」 池田高校 (豊島高校)

前説の時から、癖の強い台詞がたくさん盛り込まれていたので、これから一体どんな劇が始まるのかなと、とてもわくわくしました。そして、その期待をはるかに上回る癖の強いストーリーで最初から最後まで楽しませて頂きました!個人的には所々に盛り込まれている、小学生らしさと言いますか、小学生ならではの妄想がキャラとして確立していてとても面白くて大好きです。特に6時間目パンチが好きすぎました!笑 それから、何と言っても役者さん全員の動きの激しさ!体全体を使って表現していて、アクションシーンは本当に映画やアニメのようでとても迫力がありました。特に乗馬の表現が面白かったです あとは、役者さんと息の合った照明にずっと釘付けでした。特に、夕方の空の移り変わりを表現したシーンが美しかったです。ゆっくりオレンジの光が薄くなって、最終的に紫の光になっていたり、どんどん高いところにジョーが登って行くとオレンジの光が強くなっていったり、完全に夕日が沈んでしまったら紺色になっているのが凄すぎて、とても好きな演出でした! 100分間目一杯楽しませてもらえた劇でした!ありがとうございました!(1年) 大阪府立池田高校さん、『熱闘!!飛龍小学校☆パワード』の上演、本当にお疲れ様でした! 客席に入って装置を見た瞬間、横幅をふんだんに使った装置に目を奪われ、今から始まる劇がすごく楽しみになり、前説までワクワクソワソワしていました。 前説は劇の内容と繋がってくる言葉が散りばめられていて本編が始まった時にスっと入り込むことが出来た演出がすごく好きでした。 この作品はボケ部分が多く、エンタメ性にたけた劇で、1時間40分があっという間でした。一生笑ってたんじゃないか、レベルで笑ってました。役者さんの動きがわんぱくな小学生そのもので、可愛いな〜って思いながら見させて頂きました。 音響は役者さんの動きに合わせてビタあてで音を流していたため、凄く劇に集中出来ました。 照明は本当に綺麗でした。劇中に赤く輝くエメラルドがあって、その照明が個人的にすごく綺麗で幻想的で、1番好きでした。 役者さんは、すごくアップテンポで口回しが大変で、自分なら舌がとれてしまうのではないか、も言う所を見事に演じきって、なおかつそのペースを崩さないところがさすがだなと思いました。普段の発声練習量が並大抵ではないなと思い、自分も頑張らないとと気が引き締

「ハッピーバースデーディア」/「僕のセブンティーン」咲くやこの花高校 (長尾高校)

咲くやこの花高校演劇部「ハッピーバースデーディア」「僕のセブンティーン」の2本立ての上演お疲れ様でした。長尾高校演劇部です。 まず初めに、私が思ったことは舞台装置がすごくでかい!私の身長以上ある装置が舞台上にあり、どういった形で舞台装置を使いこなすのかが、上演前からすごく気になってワクワクしていました。そして、うさぎ達が出てきての前説、そしてそのまま上演の流れがコミカルで、スっと物語に入ることが出来ました。うさぎ達が何も無い穏やかな森ではしゃいで過ごす姿はまるで子供の様で、微笑ましく見ていました。だけど、その裏で人間が森の開発計画を進めていることが分かってきました。森の開発が進み、環境が悪くなり、鳥たちが姿を消す一方、うさぎ達は目新しい物がどんどん作られ、出来ていったものに記念日を作っていきます。誕生を祝う日。だけどそれは自分達を蝕んでいくものだとは知らず、ついに倒れてしまう。だけどそんなことに人間は気づいていない、もしくは見て見ぬふりをしていたのかもしれない。だけど、環境が悪くなるのは神のせいだと。皆、開発、発展による恩恵は受けていて、それによって起こる問題も分かっているのに、見て見ぬふりをする。問題が起こるのは、誰かのせい、何かのせいと他責思考。自分さえ良ければそれで良いのか?と、まるで私はそう訴えかけられたと思います。 2作目の「僕のセブンティーン」は、誕生日前日ををループする物語。18歳の誕生日を迎えられない、大人になれない碧羽。碧羽と伶乃のかけあいに甘酸っぱさを感じつつ、終わりが見えない怖さも感じました。終わりが見えないループ。成長しなければきっと終わらないのだろう、だけど中々成長しない碧羽。そんな碧羽に怒る伶乃。2人のかけあいに青春さを感じることが出来ました。 うさぎ達を演じているのがほぼ1年生ということにすごく驚きました。1年生とは思えないほど、高い演技力で何も知らない平和なうさぎ達を演じて3年生かなと思いました。人間4人の高校からの付き合いだからの仲の良さとか、大人だけど少し学生らしい絡みがとても和やかで、面白いシーンが多かったです。夏凪役の不思議っぽさだったり可愛らしさだったりが良かったです。照明や音響も細かいところまでこだわってあり、波の音や鳥のさえずりなど、照明はサスのつくタイミングだったり、照明変化がすごく綺麗でした。 咲くやこの花高

「赤鬼」東海大付属大阪仰星高等学校(大阪女学院高校)

『赤鬼』東海大付属大阪仰星高等学校のみなさん本当にお疲れ様でした。 ゲネプロと本番の両方を見させて頂きました。 『赤鬼』は、有名な脚本だとお聞きしていましたが、私は拝見するのが今回初めてだったため、すごくわくわくした気持ちで拝見させて頂きました。 まず舞台が始まる瞬間の雰囲気の作り方が本当に素敵でした。雰囲気の作り方が素敵だったからこそ、冒頭から物語の世界に入り込むことができました。 また、照明の色の使い方や明暗の切り替え、音響の選曲やボリュームもまるで物語に入り込む道具として使われているようでした。1回目のゲネプロでは理解しきれず進んでしまったところも2回目の本番では伏線や表現に気づくことができて何度も見ても飽きない舞台でした。普通なら、一度見たものを二度見るときは時間が経つのが遅いと感じますが、東海大付属大阪仰星高等学校のみなさんが演じられた『赤鬼』は、2回目のほうが時間が経つのがすごく早く感じました。 ミステリー要素もありコメディ要素もあって、とても惹き込まれる舞台でした。私たちも一心寺シアター倶楽で劇をさせていただきましたが、本当に同じ舞台で演じているのか疑ってしまうほどの素晴らしい舞台装置がすごく見入ってしまいました。鬼だから人を食べるのではなく人を食べるから鬼なのだという言葉が印象に残っています。そのときの、『あの女』の感情の込め方が素晴らしく、思わず涙が出そうになりました。 赤鬼が鬼、あの女が人間という認識からはずれるとまたちがった考えが生まれ、常識が覆されました。 東海大付属大阪仰星高等学校のみなさん本当にお疲れ様でした。

「うらかたん」大谷高校(四天王寺高校)

失礼します、こんにちは。四天王寺高等学校3年生の井垣茉莉です。弊部を代表して感想を書かせていただきます。大谷高校さんの作品は2022年の地区大会から拝見しており、動画もいくつか見させていただいたことがあります。丁度初めて見た作品が「うらかたん」であったということもあり、今日再び見ることが出来たことがとても嬉しかったです。 一切の場転なくハイテンポで展開されるお話、まるで今現在本当に行われているやり取りかのように錯覚させるわちゃわちゃ感、そして「ウニッ」や「無駄ージュ」、「なゆこ賞」など頭から離れない強烈なワードの数々… 「これこれ!」と懐かしい気持ちになりつつ、とても楽しむことができました。しかし、ただ面白いだけではございません。演劇部なら一度は抱えるであろう悩みに真摯に向き合う登場人物たち…と、それを見守る技術室の岡本さん。非日常的な間に合わせの解決策や会話の雰囲気を隠れ蓑として観客席に訴えかけるはそれぞれが抱いている葛藤。それがひしひしと伝わってくることがこの作品がただのエンタメでないことを強く物語っている。誰も興味ない、私たちがどれだけ演劇が好きかなんてことはお客さんに伝えるようなことではない。それを踏まえたうえで、あくまで作品、もっと言えば作り話として演劇が好きやということをしっかり客席に届ける。この一連の台詞には、一介の演劇部員としてとても嬉しく心を動かされます。役者さんの動きとガッチリ連動している音照さんやまるで本当のスタッフさんかのように振る舞う会場係さん方が醸し出すリアリティのこともあり、私たちからしたら他人事とは思えない演劇部のお話であるけど、一般のお客様からしたらただただ面白いフィクションとして映るのかな、と考えつつ、観る人によって印象は違えどどちらにせよ非常に面白いというのは凄いなぁと思いました。 初めて観たときは、まず装置の迫力に驚きそしてただただ大谷高校さんの貫禄に圧倒され少し打ちのめされながらも、演劇が好きな者として感動・共感したり、そのかっこよさに憧れを抱いたりしたものですが、今日、引退したての高校三年生として拝見させていただき、当時よりも自分や部員の姿がが彼女らに重なって見えてより深い没入感を得られました。部長として本番直前に到着したなゆこさんとみうさんに憤るひよりさんや演劇から離れられないまいさん、みうさんのご両

「ア・ミーコ」岸和田高校(美原高校)

7月26日(金)岸和田高等学校さん 「ア・ミーコ」の上演お疲れ様でした。 美原高等学校 森栄志です。 開演すると演劇部の何気ない練習風景かと思ったら登場人物たちのすれ違いが起き、これからどうなっていくんだろうと深く興味を持ちました。 そして上演を終えるとお客さんから「すごく良かった」と言う声がたくさん聴こえてきました。僕もあまりの感動で今でも余韻に浸っており、今後公演の機会があればもう一度観劇させていただきたいと思っています。 演技面等で参考にしたいと思った点はキャラクター同士のセリフとセリフの間だったり掛け合いの点です。観劇をしている中、あえてその人物が真剣に考えてるように見せる間の取り方、表現がとても勉強になり、参考にしたいと思いました。 岸和田高等学校の皆さん、本当にお疲れ様でした。 7月26日(金)岸和田高等学校さん、「ア・ミーコ」の上演お疲れ様でした。 美原高等学校 西内美結です。 前説が終わり、ベッドに寝転ぶキャストに疑問を抱きつつも、周りでは"あめんぼの歌"の発声から始まり、思わず体がリズムに乗ってしまうほど聞きやすかったです。1人の「本番いきまーす」の掛け声で会場は再び静まり返り、その中での「…うーん」とうなされたような声を出し考え事をする部長の表現力がとても豊かで、お客さんが思わず吹き出してしまい会場が笑いに包まれたのが印象的でした。物語が進んでいく中で、ずっとベッドに寝転ぶキャストが万博公演で使われる人間酷似型の分身アンドロイドだと言うことが明らかになり、その肝心なアンドロイドが故障してしまい台本を完成できないという絶望的な状況に置かれている演劇部員達のさまざまな思いや、演劇に対しての姿勢にすれ違いが生じ、公演どころではなくなってしまった場面でのキャスト達の演技力がそれぞれの視点に納得できるところが多く、感情移入ができました。 しかし、暗い雰囲気に包まれただけの脚本ではなく入部希望の一年生が耳をすまさないと聞こえない程声が小さいという設定で、他の演者に比べてとても小さな声で話しているのにお客さんまで何を言っているか分かってしまうあの絶妙な声の出し方に感動しました。見事に、会場も笑いに包まれていたのが印象的です。最終的に部長と部員のすれ違いに双方の思いをぶつけるシーンでは、部員の「

「雨をぜんぶ飲んだら砂漠にならない」追手門学院高校 (桜塚高校)

追手門学院高等学校さん、『雨をぜんぶ飲んだら砂漠にならない』の上演お疲れ様でした。 本番を観劇させていただきました、桜塚高校です。感想を書かせていただきます。 本当に素晴らしい公演でした!前説から、お客さんも一体となったのを感じて、楽しい気持ちで本編に入ることができました。最初の修学旅行の夜に怖い話をしているシーンから、役者の演技や照明、演出など何から何までとてもリアルで、さらにお話に惹き込まれていきました。修学旅行の話なのかなと思ったら、それだけではなくすごくたくさんのメッセージが詰まった劇でした。死ぬということや生きていることについてとても考えさせられる劇で、かつて起きていた戦争や現在の社会で起きている争いを踏まえて生きる意味を実感することができました。 舞台装置が一切ない中でも、役者の演技力によってその空間が何なのか想像することができ、会話も テンポが良く日常感があって、自然な演技でした。気持ちを込めてたくさん練習されてきたんだろうなというのがとても伝わってきました。シリアスなシーンだけでなく、笑えるシーンもたくさんあり、メリハリがしっかりあって本当に面白かったです。照明や音響もとてもこだわって作られており、役者の演技もそうですが、私達にはない表現方法がたくさんあってすごく勉強になりました。 役者の演技に照明の操作がしっかりあっていたり、音響ですごく雰囲気が作られていたので、とても感動しました。 追手門学院さんの劇は、以前にも観劇させていただいたことがあり、その時もすごく楽しませていただきましたが、今回も期待を裏切らない、本当に素敵な作品でした!素晴らしい舞台をありがとうございました!  桜塚高校 観劇ブログ担当  3年 中原 響

「ローカル線に乗って」長尾高校(咲くやこの花高校)

7月24日(水)長尾高等学校「ローカル線に乗って」を観劇しました。咲くやこの花高等学校演劇部1年です。 まずは長尾高等学校の皆さんお疲れ様でした! 今回の公演を観劇した感想を書かせていただこうと思います! 私自身、プロの舞台を見るのが好きで良く観劇しているのですが、高校演劇というものを観劇するのは初めてで、高校ではどのような演劇がなされているのだろうとすごく楽しみにしていました。長尾高等学校さんの今回の公演。初めて見る高校演劇がこれでよかった!と強く思える作品でした。 作品自体は全国大会優秀賞を取るほどの戯曲。 そんな戯曲に引けを取らない演出と芝居。 前説が堅苦しくなくとてもすっと入ってき、そこから簡単に舞台にのめり込むことが出来ました。 私は特に、照明・音響・演出が印象に残っています。汽笛の音が劇場内前方から後方へと流れ、電車が走り去っていくのが耳から体へと理解し、いまから物語が始まっていくのだ。とその音で身に力が入りました。今でもその音の鳴り様が頭の中で再生されるようです。あそこのぐわっと音が迫ってくるあの感覚忘れられませんっ! センター後方のSSが点き、健一さんを後ろから照らす照明。上から降ってくる桜の花びらたち。どこか儚くとても感動しました。 私が一番好きなシーンは、駅員さんが真ん中に立ち語っている間、周りの乗客達が歌を歌うシーンです。あの構成すごく素敵ですね! 今回脚本・演出の参考にしたいものばかりで、とてもわくわくしながら観させて頂きました。長尾高等学校の皆さん。素敵な時間をありがとうございました。来年も楽しみにしています!

「サマー婆ケーション」 豊島高校 (池田高校)

 7月23日(火)メイシアターにて豊島高等学校の「サマー婆ケーション」を観劇させていただきました、池田高等学校の宮本英理菜です。 テンポ感が良く、セリフも聞き取りやすかったため、最後まで飽きることなく作品の世界に浸ることが出来ました ばぁちゃんの話し方、歩き方、声色、雰囲気がまさに「帰省したらいるおばあちゃん」だったのと、後半のアサヒのばぁちゃんに対する思いが変わったときの声の雰囲気の変わり方に感動しました。 ばぁちゃんとの宿題シーンをコミュニケーションバトルにしていたのがおもしろかったです。また、ギャグシーンが要所要所に盛り込まれていて、たくさん笑うことができて楽しい作品でした。 装置の縁側がかなりリアルでしたし、袖を家の中ということにしていた工夫や、劇中に舞台上の布団と扇風機に触れるシーンがあり驚きました。 音響・照明も役者と息があっていて、会話時の照明の切り替えや、ずっと後ろで流れている蝉の鳴き声が特によかったです。 アサヒとばぁちゃん、ばぁちゃんと配達員さん、アサヒとマナなど登場人物同士のやり取りや行動を通して自分の思いを伝えるための「会話」「対話」「人に思いを伝えること」の大切さが伝わってきました。 本当に素晴らしい劇でした!ありがとうございました! 7月23日(火) メイシアターにて豊島高校さんの「サマー婆ケーション」を観劇させていただいた池田高校の井阪七緒です。 舞台の幕があがったときから、豊島高校さんの作り出す世界に引き込まれました。蝉の声が遠くから聞こえてきたとき、舞台から夏を感じ、これからどんな物語が紡がれるのだろうと胸を躍らせました。 初めは、明るくて思わず笑顔になるような会話や人物の動きにただただ楽しみながらみていました。そんな中で主人公の小さい後ろ向きの気持ちが役者さんの声色や些細な素振りから感じられ、ありきたりな言葉ではありますが、本当に凄いなと思いました。 また、照明の色が夏の青い空や夕焼けのもの寂しい雰囲気、夕立の不安感を増していてより一層物語に奥行きを持たせていたと感じました。蝉の音や雷、雨の音に感情の効果音まで普段よく聞いているような音があったことで、登場人物がより生き生きしていて、舞台上のことが現実に見えてきて上演時間中ずっと夢中になって世界に浸っていました。まるでどこかの誰かの人生の一部を覗いているような感覚でした。 そして何

「万屋さんの千秋楽」 四天王寺高校 (東海大学付属大阪仰星高等学校)

7月22日(月)四天王寺高校の「万屋さんの千秋楽」を観劇させて頂きました、東海大学付属大阪仰星高校の中谷海良と山下咲希です。約1時間半という少し長めのお芝居でしたが、後半に進むにあたり物語の中に入り込むことが出来ました。シリアスな場面とそうでない場面のメリハリがあり、ギャグシーンではつい笑いがこぼれてしまうなど飽きが来ないお芝居でした。登場人物の心境が役者だけでなく、音響や照明を通してよく伝わり感動しました。また、役者の息があっており、より物語にのめり込むことが出来ました。特に、飛香ちゃんの、頼み事を引き受け自分の中に悩みを溜め込んでしまうという性格が現代の高校生をリアルに表現していて、とても共感することが出来ました。 最後の場面では、飛香ちゃんが演劇部のみんなに気持ちを伝えることが出来て、仲良し5人組の関係も前より良くなっていてとても感動しました。 本日は素晴らしい劇をありがとうございました!

「普通に生きて恋をして」大阪女学院高校 (阿倍野高校)

様々な要素を取り入れて観る人を飽きさせない素晴らしい劇でした。 プロジェクターを背景に使うだけでなく、スプレー缶で文字を書いているように見せる演出や紙くずを撒くなどの発想が斬新で、とても勉強になりました。また、そのプロジェクターをゴミ袋で隠す配置になっていることも細部に抜かりなく、すんなりと劇に見入ることが出来ました。 音響ではシリアスな場面において小鳥の囀りが一瞬消える、など観る人の意識を集中させられるような工夫に感嘆しました。 照明においても森の中を表す光やプロジェクターに影響しない適切な角度、光量でより劇の良さを引き立てていたと思います。 役者については長いセリフがあるにもかかわらず、ゆったりとしたペースを保ち演じていることに尊敬しました。後説時に代役であったことを知り、今でも信じられません。本当に素晴らしかったです。 また、ユーモア溢れる構成の中、秀逸な例えにとても味があり惹き込まれる劇でした。 劇の終盤まで「普通」を掲げる登場人物たちがそれにかけ離れた、変わっている存在に見えました。ですが、その「変わっている」という考えですら私の「普通」の価値観から成されているものだと気付き、色々と考えさせられる劇でした。 本当に素晴らしい劇をありがとうございました! 阿倍野高校 齋藤愛花(3年)  役者だけでなく観客までも演劇に参加しているように感じさせる素晴らしい劇でした。 普段の公演とは違い使えるものはとことん使用していており、特にプロジェクターを使用した文字を描く演出や、そのプロジェクターを目立たなくする為に沢山のゴミ袋を使用して隠し、そのゴミ袋さえプロジェクターを隠すだけでなくゴミ山を連想させる様な役者の演技の素晴らしさには圧巻しました。 そして何より一番驚いた事はタイトルに書いてある「普通」の解釈が観客側と演者側で大きく違った事です。 観客側からの「普通」とは、青春を普通に楽しむ事だと思ったと思います、ただし演者側からの「普通」は周囲が荒れていてその中で過ごす内に慣れていってしまったという事からの普通だったと思います。 それぞれの解釈の違いと普通とは一体何なのかを考えさせられる劇でした。 本当に素晴らしい劇を見れて良かったです!ありがとうございました! 阿倍野高校 高原翔(2年)