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7月, 2025の投稿を表示しています

「あれも これも それも きっと ぜんぶ わたし」豊島高校(箕面高校)

豊島高校さんの観劇ブログを書かせていただきます、箕面高校二年生の金子です。 まず初めに、豊島高校演劇部の皆様、公演お疲れさまでした!  素晴らしい劇を観させていただき、ありがとうございました! コミカルなシーンはどれも面白く何度も笑わせていただきましたし、シリアスなシーンでは人物間での対立や意志の違い、変化といったものが丁寧に描かれていて、観ていて本当に面白かったです!  私のお気に入りのお笑いは "新米"に対しての"備蓄米"です。 さて、話は演劇部が文化祭の舞台公演に向けた稽古を行っている場面から始まります。その練習をしている台本というのが、昨年豊島高校さんがHPFで上演された『サマー婆ケーション』の冒頭のシーンだったんです。私事にはなってしまうのですが、昨年の『サマー婆ケーション』を観劇していた私は、豊島高校演劇部さんの代替わりを感じられて感慨深くなってしまいました。 話は、文化祭の台本をめぐって進んでいきます。突如、生徒会によって文芸部・漫画研究部との合同公演をすることになった演劇部の脚本、あおいは各部の意志を取り入れながら脚本を練り直していきます。融和し難い要求に悩まされるあおいの姿は、観客に共感を誘うものでした。その共感は、あおいの"自分の意志を強く言わない"という性格から来ているのだと思います。台詞の間や所作、表情に"演劇部の常識"が通用しない他部活からの要求に困惑した様子が映し出されていました。 なんとか台本を仕上げ、稽古を始めます。稽古の準備を進める様子から、劇中では描かれていない普段の演劇部の雰囲気が感じられました。 役者がそろい、稽古を始めます。しかし、各部は満足出来ておらず、不満から対立が起き、それが激化していきます。感情の昂りや周囲の動揺など、舞台役者一人一人の所作に見応えがあり、どこを見ていようかと悩んでしまいました。その位、舞台全体に"見る価値"を与える演者さんは本当に凄いと思います! あおいは難しい状況の中、台本の練り直しを進めます。ここで、あおいが何故"自分の意見を言わなかった"のかが判明します。あおいの性格をただ"そういう人"というだけで済ませず、頭の中での対話から理由を導き出すという演出に感激...

「わたしのつばさ」 関西学院千里国際 (関西創価②)

関西学院千里国際中等部高等部さんの「わたしのつばさ」の観劇ブログを書かせていただきます、関西創価高等学校 2年築山七海です。千里国際演劇部の皆さん、公演本当にお疲れ様でした!!結論から言ってしまうともう最高でした! 芝居の簡単な内容といたしまして、舞台は学校としては初参加であり、高3にとっては卒業公演にあたるHPF公演。高校3年生である真田和津は既に主人公として決定していた演劇部マドンナである同じく高校3年生である三浦舞香に対し、主人公の座をかけた部活内総選挙戦を申し込みます。演劇部創設者である2人の関係性や部員達のイザコザ、卒業公演や演劇部の在り方、そして語られるは過去から未来へ。様々な方面に対する愛情のこもった劇でした。 パフォーマンスなどの出来が毎度良くて、観客と一緒に盛り上がれるようなノリが作られていたので80分間、最後まで飽きずにハラハラニコニコと観劇していました。演出が面白くて、個人的には序盤からアニメのオープニング映像のように、キャスト等が書かれた布をかかげて流れていく姿を見た時には笑いが止まりませんでした。それに、演技だけでなく歌も極められるなんて...尊敬の眼差しを向けずにはいられない! まず、なんと言っても素晴らしい点は演技の巧みさです!それぞれ違う味を持ったキャラクターをブレずに全員が最後まで演じ切っており、役との整合性がとても高いと感じました。内1人を例に挙げて書かせていただくと、妬みと憎悪を上手く感情に乗せて演じている巻機山あささんは強く印象に残りました。客席側に語りかけながらも動作や表情にしっかり全ての気持ちが乗っていて、劇場内に響き渡る強い声が心にグッと来るものがありました。そして役者全員が楽しく笑顔で演じていたのが何よりも1番です。 舞台装置には無駄がなく、幕が上がって観客がすぐに舞台を把握できた他、アクティングエリアがしっかりと作られていたので大人数が一気に舞台上にあがれたり、役者も大きな動きを可能となっていたのですごく綺麗だと感じました。 「わたしのつばさ」というタイトルを聞いて、誰か1人が決断して進んでいく姿を描く物語かと予想していたのですが、2人で1つの翼として今までの経験や将来への不安も共に進んでいこうとする姿を表したタイトルであると観劇後に分かり感動しました。主人公の2人だけでなく、他の部員全員がしっかり救済されるような形...

「わたしのつばさ」 関西学院千里国際 (関西創価)

この度、関西学院千里国際高等部さんの「わたしのつばさ」のブログを書かせていただきます、関西創価高等学校3年藤原忠です。素晴らしい作品をありがとうございました。本当にお疲れ様でした。 劇の内容は2025年度卒業公演に相応しいお芝居で劇中でこのHPFの卒業公演の主演を春風舞香(三浦さん)がするか、藤原和津(真田さん)がするかを選挙で決めるというものでした。主演をするために生まれてきたかのようか春風舞香に藤原和津がコミカルに立ち向かっていく姿が面白く、見ていて楽しい作品です。 はじめの印象としては、まず演者が全員声が良く通り、かつ綺麗で尚且つテンポが良かったです。普段のお稽古の完成度と仲の良さが滲んでいるなと思います。 劇の内容が今までの実際の演劇部の歴史を踏襲していて、その分役者全員に気持ちがしっかり乗っていたのだと思います。 そしてキャラクターが一人ひとり役割が立っていて、何をとっても完璧な春風舞香とそれを支持する部員たち。だからこそ、そこに一人立ち向かう和津が光る。中学の時に部活を立ち上げた2人の対比。そして巻き込まれる同期の2人。いい役がもらえない瀬川優介と高一からの途中入部で役を貰えない、優秀な兄と舞香と同じ名前をもつ妹尾苺伽が主演2人への劣等感や嫉妬を持っていたり。後輩の部長副部長も舞香に心酔する飛鳥悠太と舞香に嫉妬し和津を支持する巻磯山あさ。 全員が上手く絡み合っていてキャラクター性だけでもいつまでも見れるような脚本でした。 裏方は転換がとても自然で、照明音響がとてもドラマチックに綺麗になっていて観るストレスが全くなかったです。 タイトルの「わたしのつばさ」が、はじめは舞香のものだったのが、最後で舞香と和津の「わたしたちのつばさ」になるのがとても感動しました。3年生のみなさん。本当に今までお疲れ様でした。これから先も演劇を好きでいてくれたらと思います。僕は舞香さんのTikTokをフォローしようと思います。 本当に素敵な時間を素敵な作品をありがとうございました。 関西創価高等学校 藤原忠(3年)

「破壊ランナー」淀川清流&池田 (大阪女学院高校)

淀川清流高等学校の皆様、池田高等学校の皆様、上演お疲れ様でした。大変楽しく観劇させていただきました。100分という大変長い時間での公演、とても体力が必要で終盤になればなるほどしんどくなっていくと思います。ですが、みなさんはそういった表情や態度というものが1つも見えず、最後まで役というものに息を吹きかけて演じきっておられて、とても感激いたしました。 劇を観始めたとき、「これは暗いテンポで進んでいくのかな?」と感じたのですが、劇が進めば進むほどコメディー要素がたくさん出てきてお客様を飽きさせない工夫が素敵だなと感じました。笑いのポイントを入れれば入れるほどお客様の笑い声が大きくなり、最後は笑い声と同時に拍手まで! 「笑わせたい!」と思って書いて実際にお客様が笑ってくれた、というような形ではなく、自然な笑いを入れたりしているのもお客様の心を捕まえた一つの要因だったのかなと思いました。 今回の劇は舞台セットが一つもない素舞台だったのですが、むしろ舞台セットは置いてはいけないと思うほど舞台を広々と動き回りながら使っているのがとても上手だなと思いました。どの高校の演劇部さんの公演でも大体が舞台装置を置いていたり、小道具を使っていると思うのですが、淀川清流高等学校の皆様と池田高等学校の皆様は小道具すら使わず、効果音までセリフに組み込まれていて斬新かつ新鮮な演劇だなと思いました。 また、低い姿勢で走る演技をした状態でセリフを言っていたのが本当にすごいなと感じました!普通に立っている状態でも声が通らなかったりこもってしまったりするのに、役者の皆様はその状態でもしっかり声を出して客席に声を届けていたのが本当に素晴らしいなと感じました。これからも、どんな形態であっても皆様の素敵な声をお客様に届けてほしいです! 最後になりましたが、楽しい劇を届けてくださりありがとうございました。これからも皆様の活躍を応援しています。本当にお疲れ様でした。(2年) まず初めに公演お疲れ様でした! 正直なところ劇が始まる前100分間の劇をすると聞いた際「そこまで長い劇をできるんだすごい!」と思った反面、飽き性な私にとって「100分もの長い劇を最後まで集中してみられるかな」と不安なとこもありました。しかし、劇が始まったあたりからその不安は無くなりました。劇初めの声を合わせて記録を言って行くところにも圧倒されまし...

「Dear Moth.」 咲くやこの花高校(関西学院千里国際高等部)

咲くやこの花高校「Dear Moth.」の観劇ブログを書かせていただきます、関西学院千里国際高等部2年の大西です。咲くやこの花高校演劇部のみなさん、公演お疲れさまでした! 最後のご挨拶の際に言いきれなかった感想も含めてここに書いていこうと思います。 まず、このお芝居は高校演劇ではあまりみないミュージカル形式のお芝居となっていることに驚きました。劇中で使われている曲もオリジナルとのことで、ミュージカルならではの音楽という要素を大切にされているのが伝わってきました。劇での会話中もBGMとして音楽が流されているシーンがあったのですが、ずっと流れていても全く違和感を感じませんでした。 かなりシリアスな脚本のなか、役者のみなさんがそれぞれのキャラクターをしっかりと演じられていていつのまにかこちらものめり込むようにして見てしまいました。アイリーンの葛藤や、イレネの純粋さの裏にある狂気。アネットの妹に対するアンバランスさ、オリオの感情を抑えているようで漏れ出てる本音。なかでもガガのあの近づいてはいけない、とにかくやばい感じがすごくすごくかっこよかったです。また、アンサンブルの方たちのヤジがとても上手かったです!!アンサンブル以外でこのお芝居で歌うのは主人公のアイリーンとイレネ、アネットなのですがお三方ともお歌がとても上手で感動しました。 「ひとりにしないで」というセリフが共有されているのが面白いなと思いました。みんな1人で耐えているように見えて、やっぱり誰かに縋りつつ生きているのかなあとも思います。また、この公演では客席から舞台上のヤジと一緒になってバラを投げるシーンがあるのですが、この時タイトルにもある「蛾」に我々もなったのだなと感じました。蛾の私たちは世間の出来事をエンタメとしか捉えていなくて、その場その場でニュースに群がって生きている。そんな実感が得られました。最後の赤ちゃんの人形の首が吊られているシーンが脳に焼き付いています。 全体的に見ていて、シンプルに舞台として演技以外も色々な所に力をいれて綺麗に作られているなと感じました。吊られている満月、端にある蝶のついたランプ。演技をするときも舞台全体を使うのではなく、ツラと奥でわけられた装置と明かりのもとで演技をされているのが観客としてもここはこういう場所なのだな、と理解がしやすかったです。ミュージカルシーンの照明もシンプルな...

「週刊なかよくない」 阿倍野高校 (東海大付属大阪仰星高校)

当番校の東海大学付属大阪仰星高校の3年、山下咲希です。 この度は阿倍野高校さんの『週刊なかよくない』を観劇させていただきました!感想は挨拶の際にもお話しさせていただいたのですが、まず、机と椅子がずっと舞台上にあるにもかかわらず、音響の効果や役者さんの演技によって「今どこにいるのか」という場面の変化が見ている側にとてもスムーズに伝わってきました。 漫画に信仰心を持つ佐々木と、合理主義を貫く櫻井。真反対とも言える二人が漫画連載を共同制作することで、関係性が少しずつ変化していく。その過程をとても丁寧に描いた作品だと感じました。二人の感情が素直に表情に表れていて、観客が劇の世界に入りやすく、音響や照明の効果も相まって、よりドラマチックに表現されていました。特にラストの雨のシーンは、音響・照明・役者さんの表情がすべてリンクして、晴れやかな気持ちへと変化していく様子がとても感動的でした。 また、間の取り方が本当に印象的で、溜めすぎず、詰めすぎずの絶妙なバランスが、役者の感情をさらに細やかに伝えていたと思います。 そして、この作品を通して感じたのは、物語に込められたテーマです。主人公の二人は、時に周囲から気持ちを抑圧されたり、反対に寄り添ってもらったりしながら、自分の気持ちを大切に生きようとする姿を見せてくれました。その姿に勇気をもらった方は多いのではないでしょうか。人生ではさまざまな人との出会いがありますが、一つ一つの出会いを大切にしたいと思わせてくれる、とても素敵なストーリーでした。 阿倍野高校さんの『週刊なかよくない』を観劇することで、演劇におけるさまざまなテクニックや工夫を学ばせていただき、非常に有意義な時間を過ごすことができたと感じています。本日は本当にお疲れ様でした!

「スターと」四天王寺高校(長尾高校②)

この度、四天王寺高校さんの「スターと」のゲネプロと本番を観劇させていただきました。 長尾高校3年の梶原結月です。 まず、あらすじを読んだ時点で、「演劇大会はうまくいかなかったけれど、最後の引退公演を大切にしたい。このメンバーで出る最後の舞台だから、次に向かって進もう!」というメッセージが伝わってきました。 タイトルの「スターと」には、"STAR"と"START"の掛け合わせに加えて、ひらがな表記による柔らかさや意味の奥行きを感じ、思わず「タイトルがすでに可愛い!」と感じました。 舞台は部室から始まり、黒田と小泉が大会の片付けをしているところから物語が動き出します。2人の間には部員へ隠し事があり、それを周囲に悟られまいとする空気が舞台に張り詰めていました。 中でも印象的だったのが照明です。先の見えない不安や、信じた道を行こうとする覚悟を表現するような、奥行きのある光の演出がとても印象的でした。音楽や照明が役者の動きとぴったり重なり、観ている私たちを一気に作品世界に引き込んでくれました。 小泉の「私は空っぽだ」ということに対しての犬養の想いにはとても胸を打たれました。部活で過ごした日々や、仲間との思い出が心にあるからこそ辛く、世間の評価によって演劇を嫌いになりたくないから、逃げてしまいたくなる。その気持ちが痛いほど伝わり、桂を始めとする部員達の笑顔で誤魔化すことの苦しさが胸に迫ってきました。 一方で黒田は、「自分は脇役だ」「みんなが輝いている」と感じており、自信が持てない様子でした。でも、作品を観終わった後にもう一度タイトルを見ると、黒田をはじめ、登場人物全員が"スター"のように輝いていて、そこから新しい道を"スタート"していくという、タイトルそのものが物語にリンクしていることに気付き、はっとさせられました。 この作品は、何度観ても面白く、高校での演劇部人生とは何だったのか、深く考えさせられる舞台でした。劇中の音楽にもあった「拝啓、少年よ」という曲の歌詞が、本当にぴったりだと思います。もう目標を純粋に馬鹿みたいに追いかけてた自分の姿をを泣き笑いたくなりますがとても楽しいと思わせてくれます。 話しは変わりますが、黒子ちゃんたちの去り際の足や、記念撮影に「君たちも入るんかい?!」っとツッコミた...

「スターと」四天王寺高校(長尾高校)

四天王寺高校「スターと」の観劇ブログを書かせていただきます、長尾高校一年生です。四天王寺高校さん、公演お疲れ様でした。 この劇は、高校演劇の大会に勝ち進めるように一生懸命頑張って作った劇が惜しくも負けてしまう。そんな中、小泉さんが部活をやめることを知った部員達がいろんな考えを持ち、思いをぶつけ合う内容になっています。観劇している中で、私も共感できる部分が多くあって、笑いあり涙ありの面白い作品になっています。 私がこの劇を通して思ったことは、大会に負けても誰かに否定されても挫けずに前に進んで頑張るという気持ちがとても伝わってきたことでした。努力して、頑張ってもいい結果にならなかったりするけど、それでも頑張って努力すれば、努力を認めてくれる人が側にいるという事を教えてもらえる作品でした。 タイトルでは「スターと」とあり、劇中に「輝いてる」や「光って」などの言葉があった事から、星という意味も含んでいると思い、これからも輝いていけるように頑張る事を「スタート」するから「スターと」というタイトルなのではないかと考えました。 この劇は、共感できる所がとても多くて、部員達の掛け合いが多くて上下関係を感じさせない所や、基礎練が大変な所などがあり、内容に入りやすかったです。演劇部にはキャラが濃い人たちが多いのでその所も共感できる所でした。ダンスでは誰でも分かる曲だったのでとても楽しめました。 小泉さんの「自分は空っぽで逃げてる」という考えを、犬養さんが否定する場面では、私も小泉さんにそれは違うよと言いたくなるくらい引き込まれました。 菅さんの「頑張ったって結果が出なければ意味がない」というセリフは演劇をしている人だけじゃなく、何かに努力して頑張っている人全てに当てはまるので、共感できる人は沢山いたのではないかと思いました。そして、それでも前に進まなければいけないと、桂さんが言っていて、その言葉に私も勇気づけてもらいました。 劇中でラジオを使っていて、ラジオを押すたびに音が変わったり鳴ったりしたので、本当にラジオから音が出ているようになっていて違和感が無くて、とてもすごかったです。 白雪姫の即興劇をしている時、鏡に誰が美しいかを聞く時に紫のマントと緑の照明がいかにも、悪役の雰囲気を作り出してて、すごく綺麗で分かりやすかったです。 観劇していて...

「つたない先輩」桜塚高校 (美原高校)

★この度、「つたない先輩」の感想ブログを書かせていただきます、美原高校三年生の寺下です。桜塚高校演劇部の皆様、まずはお疲れ様でした!素敵な公演でとても、とても面白かったです! 全体的にとても軽快に進んでいて、上演時間70分があっという間に感じました!! ゲネと本番、両方観させて頂きましたが1回目には気づけなかったことに気付けたりして、本当に何度観ても見飽きたりないくらい完成度の高い舞台だと思いました! ここからはあくまで僕が感じた感想ですが、このお話は「過去のトラウマを克服することは、未来の幸せを掴む鍵となる」ということを伝えたいのではないかと思いました。 特に顕著に感じたのは、中学時代に恋愛関係で最悪な部活動をすごしたあらくれ君。 彼も同好会に入ってすぐは自分に告白してすぐ忘れたコイ先輩の事を多少疎ましく思い、かなりの動揺を見せていました。 しかし、つたない先輩と後輩が話を聞いてくれ、それから夏休みも秋も超えて長い付き合いとなっていたコイ先輩とあらくれ君は、多少自虐的にネタにしながらも最初にコイ先輩が言っていたような「普通の友達」になれているように見えました。過去にピンポイントな出来事でトラウマを抱えていたあらくれ君がです。 そして、物語を通して明るく振舞っていたつたない先輩。彼女も過去に友達と思わしき子達から自身の世間知らずを理由に鋭い言葉での拒絶を受けており、正直終盤までは真の意味で昔のトラウマからは救われてなかったのではないでしょうか? しかしクライマックス、後輩からの本心の叫びを聞き、彼女は笑っていました。それは最初に見せていた笑いとは違う、真実の笑みのように見えました。 そして最後は、後輩から「世間様」への語りで終了。 僕にはこの一連の物語が、過去にトラウマを抱えている人への蜘蛛の糸のように感じ、先のような感想になりました。 長くなりましたが、桜塚高校さん、本当にお疲れ様でした! 今日のこの思い出を忘れず、美原高校もHPF駆け抜けていきます!素晴らしい舞台をありがとうございました!! 美原高校3年 寺下奏太 ★桜塚高等学校の演劇部の皆さん、本当にお疲れさまでした。今回ご縁あって観劇ブログを書かせていただきます、大阪府立美原高校の西内です。どうぞよろしくお願いします。 さて、今回の物語は、学校一の変人——いや、変人などと呼ぶのは失礼かもしれませんが、けれど...

「喫茶 裏面バー」箕面高校(豊島高校) 

★まずは、箕面高校演劇部さんの皆様、公演お疲れ様でした。とても素敵な劇を見せてくださりありがとうございます。とっても面白かったです。公演時間が75分だと聞いていましたが、75分も本当にあっという間で「えっ…もう75分⁉︎まだ25分くらいしか経ってなくない?」 と感じるくらい劇に夢中になっていました。そのくらい没入感があり、細かい所作、例えば口をチャックしたら開ける、お椀を開けたら閉めるなどの動作が凝っていて面白かったです。私はゲネと本番の2回公演を見たので1回目で感じた事、伏線などを2回目で回収できてとても気持ちよかったです。  お話の流れとしては喫茶リメンバーというバーが舞台となってお話が進んでゆき、そのバーのマスターとマスターの幼馴染の常連のおじさん、バーのバイト、たまたま来た高校生の女の子、有名なカレー屋さんの創立者の男の人が中心となってお話が進んでゆきます。一回目を見た時はなぜおじさんとカレー屋の男の人は交わらないんだろうとか、マスターとおじさんの掛け合いが面白いなぁ、としか思っていなかったのですが、2回目を見てみるとなぜお父さんはご飯をみじん切りにしていたのかや、ドミノのくだりの意味が分かってより一層面白かったです。『喫茶裏面バー』を見るなら絶対2回見なければ!と思った瞬間でした。  流行りの音楽でスピッツや安室奈美恵が出てきて、結構昔の話なのかなと思ったら流行りのスイーツにタピオカが出てきて頭の中が???で埋め尽くされました。後で先輩方と考察をしていた時に、タピオカは3回くらいブームが来ていて、劇中の時代にも流行っていたみたいなので、細かいところまでしっかり練り込んでいて凄いなとなりました。劇の中に日本文学や歴史などの話が散りばめられていてとても興味深かったです。私は学問のスルメが好きでした。他の商品名も気になるなぁ…個人的にはおじさんが「ぼったくりじゃないか」と言った後に幕から少し顔を出して謝っていたシーンが好きでした。どのシーンでも笑いが絶えず、細かい設定もよく練られていて凄いなと感じました。 私も伏線が沢山散りばめられた見応えのある劇を作れるように見習っていこうと思いました。  最後になりますが面白く見応えのある舞台をありがとうございました‼︎ 本当にお疲れ様です。また機会があれば見たいなと思いました。 (豊島高校1年) ★箕面高校さん『喫茶 裏面...

「ヒビキアイPart2」関西創価高校 (大谷高校)

関西創価高校「ヒビキアイPart2」の観劇ブログを書かせていただきます。大谷高等学校三年星野颯花です。ゲネプロと本番を見させていただきました。 芝居の内容といたしましては、矢頭康太郎(藤原さん)と朽見彰(島崎さん)が高校生の時に漫才コンビ「ヒビキアイ」を結成し、十年間の漫才師生活を描いたものでした。漫才の芝居と聞くとコメディ系のものかなと思いますが、「ヒビキアイPart2」では、もちろんお笑いの要素もありましたが、後半になるにつれて胸にグッとくるような内容になっており、観劇している側は感情が右往左往していてとても楽しかったです。 十年前の話と現在の話を照明、音響を活用してわかりやすく表現されておりとても良かったです。現在の話では朽見彰が認知症だということを匂わせるような台詞もあり、最初はどういうことかなと思っていたのですが、後半の認知症の告白で全て繋がってとても気持ちよかったです。「顔42点」の台詞も十年前と現在でリンクしているところがあって、認知症であったとしても二人は永遠につながっているんだなと思いました。 矢頭康太郎(藤原さん)と朽見彰(島崎さん)の漫才のシーンでのテンポ感が面白く、演劇以外の関係も芝居と同じぐらい仲のいいコンビなのかなと思いました。 演技もとても素敵でした。矢頭康太郎役の藤原さんは、漫才の大会に出ている映像を他の友人と見ているシーンがあり、そこで相方である朽見彰を思い出し葛藤している時の演技に胸を打たれました。朽見彰役の島崎さんは、認知症であることを矢頭に隠してコンビを解散しようというシーンで、矢頭の将来を考えて適当な理由をつけて解散しようという必死さも伝わってきました。 台詞の中で「俺が全て覚えてる」「俺がいつも笑ってる」「桜は散っても桜や」などの台詞にメッセージ性があり伝えたいことがストレートに感じらスッキリ終われる舞台でした。また、矢頭の心の声の演出もわかりやすかったです。 作品名である「ヒビキアイ」は「日々気合い」と「響き合い」という2つの意味が隠されていることも面白かったです。 完璧な伏線と演出で、この台本を書いたのが生徒だと知ったときとても驚きました。その才能がとても羨ましい限りです。 また機...

「うわさのタカシ」 大阪女学院高校 (淀川清流&池田)

 今回大阪女学院HPF公演「うわさのタカシ」のブログを担当させていただきます、淀川清流2年の山口乃音です! 公演、お疲れ様でした。ほんの40分ほどの時間の中で進んでいくテンポの良いギャグ混じりの会話に、思わず見惚れてしまいました。それでいて向こうの声が聞こえない状況で、本当に携帯の向こうと会話をしているような間の取り方や、浮気相手(別の彼女)とばったり会ってしまった時の気まずさ等との温度感の取り方が上手く、最後まで飽きさせない作品でした。 机の上の肉じゃがとか個包装されたクッキーだったり、部屋の中の散らばった漫画や服など部屋を模した小道具も拘られていて、それでいてちゃんと動線が私たちに分かりやすいよう組まれているなと感じました。情報量が多いのにも関わらず淡々と説明口調になるのでなく、それぞれの登場人物の会話の中で滑らかにかつしっかりと説明が成されていて、日常会話の組み方がとても上手かったです。 最初全員の衣装姿を見た時に「ああ、タカシって多趣味なヤツなんだなあ」と思ったのですが、ちょっとした息遣い、目線や身体の軸、立ち居振る舞いで3人の性格が全く違うということを実感しました。細部にまで拘っていて、本当に3人は実在しているのかもしれないという気持ちが湧いてきました。 タカシの情報について、確実に他と違う点がえみりさんとさとこさんにはあったのにしずかさんだけが違う点どころか「優しくて真面目で頭が良い」以外の情報を知らず、あれだけ好きだった相手のことをほとんど何も知らない虚無感の表現が素晴らしく、惹き込まれました。恋は盲目とはこの事なのだと。 恋にのめり込みすぎるのも、依存しすぎるのもダメだし、かと言ってあっさりしすぎているのもつまらない。恋愛感情の危うさ、恐ろしさを目の当たりにしたような気分になりました。結局3人の思っているタカシは誰だったのか?そもそも同一人物なのだろうか?考察がとても捗る作品だったと思います。 改めて、素晴らしい作品をありがとうございました。お疲れ様でした! 大阪女学院さん、『うわさのタカシ』の上演お疲れ様でした!観劇ブログを書かせていただきます、池田高校二年の瀧谷です。 うわさのタカシ、本当に本当に面白かったです! ゲネを見てから本番まで結構時間があったんですが、「早く本番が見たい! 待ちきれない! 待ってる時間にもう一回見たい!」と思うほ...

「おり☆おん〜新解釈『学校の怪談』〜」大谷高校(四天王寺高校)

2025 7月20日 大谷高校 「おり☆おん〜新解釈『学校の怪談』〜」                     四天王寺高校 民野夏凜(高校3年) この度、「おり☆おん〜新解釈『学校の怪談』〜」の感想ブログを書かせていただきます、四天王寺高校三年民野夏凜です。大谷演劇部さん、素敵な公演をどうもありがとうございました。とても、とても面白かったです!「表現」という行為のすごさを改めて感じました。公演時間が、後説含めて80分程度とのことでしたが一瞬で過ぎ去ってしまい、それ程没入できましたし、どの瞬間も細かい所まで作りこまれており、情報がもりもりで瞬きするのが惜しいくらいでした。最低でもあと五回は見たいです。 お話のテーマとしては、自分が好きな相手は自分のことを親友としか見ていなくて、他に好きな子がいて…というものや、好きなことをしたいけれども親の跡を継がねばならず、好きに生きれない…、親の、自分に完璧を求めてくるプレッシャーがしんどい…等、しっかりメッセージ性があるものでしたが、七不思議たちによるポップさもあって、シリアスとポップのダブルパンチを食らった気分です。バランスがすごく良くて、とても面白かったです。 また主に、確固としたセリフとしてではなく、あくまで音に乗せた動きで、お客さん側に想像する余地を与えつつもしっかりとテーマは伝えていく、というスタイルにしびれました。音に乗せたシーンの比重が大きい分、セリフの部分が光っていました。一言一言のワードチョイスが最高で、私は「いってぇ」「陳謝」「行けよ」のセリフが特に好きでした!もちろん音に乗せてのシーンも最高で、ラスト、不忍さんが歌詞ハメで「好きって伝え…」と口ずさんでいるところや桜井さんが歌っているところ等、とてもエモかったです! それに、「オリオン座」に関するものがたくさん出ているのも素敵でした。装置はもちろん、踊りの振り、最後の白魔術の構成等とてもテンションが上がりました。衣装もとても秀逸で、制服の片袖だけフワッてなっているのがとても可愛いですし、役によってズボンの長さが違ったり、制服の着こなし方が違ったりと、とても工夫されているなぁと思いました。特に蘭丸の見た目の白魔術使ってそう感が強くてとても好きです。それに七不思議たちの衣装も、これどうなってるん?!と衝撃を受...